受刑[語句情報] » 受刑

「受刑〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

受刑の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「李陵」より 著者:中島敦
らぬので、中に火を熾《おこ》して暖かに保った・密閉した暗室を作り、そこに施術後の受刑者を数日の間入れて、身体を養わせる。暖かく暗いところが蚕を飼う部屋に似ている....
「死のなかの風景」より 著者:原民喜
きびしい鞭《むち》や苛酷《かこく》な運命が待ち構えているかもしれない。だが、殆ど受刑者のような気持で、これからは生きているばかりなのだろうと思った。ある日、彼は....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
手紙となった。大審院の判決で顕治の無期懲役に対する控訴が却下されて未決から既決の受刑者としての生活に入った。面会は一ヵ月一回となり、顕治からの発信も一ヵ月一遍と....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
た人間はいったいどこへ行ったらいいのでしょう？ そのとき破門された人間は、今日の受刑者のように、単に人間社会から離れるばかりではなく、主キリストからも去ってしま....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
のぞんでる思考のこの調書のうちには、常に高まってゆくこの苦悩の増進のうちには、一受刑人のこの一種の精神的解剖のうちには、処刑する人々に対する一つならずの教訓がな....
「新西遊記」より 著者:久生十蘭
から歯抜きの刑を行なうと宣告する。そうしておいて、剃刀で二人の髪を剃りはじめる。受刑者には歯抜きの刑に頭を剃るというのは、どういうことなのか理解できないが、間も....
「虹の橋」より 著者:久生十蘭
一 北川千代は栃木刑務所で服役中の受刑者で、公訴の罪名は傷害致死、刑期は六年、二十八年の三月に確定し、小菅の東京拘....
「流刑地で」より 著者:カフカフランツ
この谷間には、将校と旅行者とのほかには、頭髪も顔の髯ものび放題の、頭の鈍い大口の受刑者と、兵士が一人いるだけだった。その兵士は重い鎖をもっており、それから小さな....
「解説」より 著者:原田義人
の短編を、古い掟と新しい掟との対立として解釈している。すなわち、古い秩序は救済（受刑者の苦しみによる認識ということが描かれている）のために人間を犠牲にし、新しい....