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受動
「受動〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
受動の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
い女の、あわれさと醜さを見せているのだ。 あわれさとは手術台に横たわる宿命的な
受動性! 醜さとは、醜さを意識しない官能の脆さ、好奇心! しかし、このあわれ....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
の一元的|平衡《へいこう》を破ることによって、異性へ向う能動性および異性を迎うる
受動性を表現する。しかし「いき」の形相因たる非現実的理想性は、一元的平衡の破却に....
「三浦右衛門の最後」より 著者:菊池寛
《こごしょう》に召し上げられたので、それ以来は、ただ主君や周囲からせられることを
受動的に甘受していただけで、自分の意志を働かしては何一つしたこともないが、氏元の....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
* 鰻をとる方法がいろいろある。 筌を用いるのは、人間のほうから言って最も
受動的な方法である。 鰻のほうで押しかけて来なければものにならない。 次には....
「映画「マルガ」に現われた動物の闘争」より 著者:寺田寅彦
、あっさりと見切りをつけて結局このけんかはもの別れになるらしい。蛇のほうはやはり
受動的であって、こっちから追っかけて行って飽くまで勝負を迫るほどの執念はなさそう....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
、そこには分解して言えない一つの空気があるのだ。 旅の芸術は、こっちがあくまで
受動的に白紙のままで、つぎつぎに眼まぐるしくあらわれる未知に備えずしてそなえ、す....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
ッシズムがベニイを潰すか――。』 明け方は、睡眠の満潮時だ。 彼女の饒舌が、
受動的に働いて、いつしか、私の意識をぼやかしたに相違ない。 私は、二人をその儘....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
層からの通信を感受し得る、適当な霊媒を選び出すことである。先ず第一にその人物は、
受動的の心の所有者であらねばならぬ。何となれば、本人の心が吸収する丈しか、何事も....
「アインシュタイン」より 著者:寺田寅彦
った彼はこれらの弱点に対してかなり気の永い寛容を示している。迫害者に対しては常に
受動的であり、教えを乞う者にはどんな馬鹿な質問にでも真面目に親切に答えている。 ....
「省察」より 著者:デカルトルネ
性作用もまったく含まれないからである。しかるに今たしかに私のうちには感覚する或る
受動的な能力、すなわち感覚的なものの観念を受取り認識する能力があるが、しかし私は....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
されているばかりで、その驚きは断定的、思索的、自覚的などということなしに、単なる
受動的のものであった。しかし、そういうなかにもコスモの空想は彼一流の夢を送って、....
「地上」より 著者:島田清次郎
椿の花で飯事をして遊んでいた。障子に薄日が薄赤く射していた。綾子に対しては何故か
受動的であるお光は綾子の言うままに花弁を一枚一枚揃えていたのだ。綾子はお光の揃え....
「夜の構図」より 著者:織田作之助
顔を見たことのない男に、体を許しますね。好きでもないのに。これは実に驚くべき女の
受動性ですよ。こういう女特有の神経はものを書く人間にとっては驚異です。いや、もの....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
は、そんな噂は信じない。「私についていえば、私はエセックスの問題に対しては、単に
受動的であって、けっして能動的ではありません。私は女王のなさるままに従うものです....
「児童の解放擁護」より 著者:小川未明
さき者達は与へられたる、境遇について、不平を言い、抗議することを知らない。いつも
受動的であり、どんなとこにでも甘んじなければならぬ。それを考うる時、四六時中警笛....