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受取
「受取〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
受取の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十円札」より 著者:芥川竜之介
一に彼は十円札を保存することに成功した。第二にある出版|書肆《しょし》は今しがた
受取った手紙の中に一冊五十銭の彼の著書の五百部の印税を封入してよこした。第三に―....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
み》と云う御用商人の娘と縁談が整《ととの》ったと云うだけでしたが、その後引続いて
受取った手紙によると、彼はある日散歩のついでにふと柳島《やなぎしま》の萩寺《はぎ....
「水の三日」より 著者:芥川竜之介
くら籤に当っても、ご免をこうむろうと思う。
砂岡君と国富君とが、読み役で、籤を
受取っては、いちいち大きな声で読み上げる。中には一家族五人ことごとく、下駄に当っ....
「路上」より 著者:芥川竜之介
。
「じゃ頂戴して置きます。」
俊助はとうとう我《が》を折って、渋々その切符を
受取りながら、素《そ》っ気《け》ない声で礼を云った。
「どうぞ。当夜は清水昌一《....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
投げ出さずに、眼で猪首の若者を招くと、人の好さそうな微笑を浮べながら、
「さあ、
受取るのだ。」と声をかけた。
猪首の若者は数歩を隔てて、時々|髭《ひげ》を噛《....
「出帆」より 著者:芥川竜之介
幅を広くしていくから、わかるようなものの、さもなければ、ほとんど、動いているとは
受取れないくらいである。おまけに、この間の水なるものが、非常にきたない。わらくず....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
》の手から神酒《みき》を入れた瓶子《へいし》を二つ、三宝《さんぼう》へのせたまま
受取って、それを神前へ備えようとすると、どうした拍子か瓶子は二つとも倒れて、神酒....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
敏さんの返事があってね、一切僕の計画通り実行する事になったよ。何、どうして返事を
受取った? また用を拵《こしら》えて、僕自身あの婆の所へ出馬したのさ。すると昨日....
「溺れかけた兄妹」より 著者:有島武郎
た。そして何か御礼の心でお婆様が持って行《い》かれたものをその人は何んといっても
受取らなかったそうです。
それから五、六年の間はその若者のいる所は知《し》れて....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
或る人々は餓えている。それらの人々に私は私を与えよう。そしてそれらの人々から私も
受取ろう。その為めには仮りに自分の引込思案を捨ててかかろう。許されるかぎりに於て....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
通信の後期五年間に於ては、一団の霊達が各自自分の書体で通信を寄越した。 『通信を
受取る時の状態は種々雑多であった。通則としては私が周囲と絶縁することが必要で、私....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
行く方だ。だから江口の批評は、時によると脱線する事がないでもない。が、それは大抵
受取った感銘へ論理の裏打ちをする時に、脱線するのだ。感銘そのものの誤は滅多にはな....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
知辺もなければこの人を便りとしたりしなり。尋ね着きて伯父の手紙を渡せば、その人は
受取りて表書の名を見るより涙を溢して悦び、口早に女房にも告げ神仏の来臨の如く尊敬....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
手紙に対して、アボットは何が不快であるかと訊いてよこした。ファラデーはこの手紙を
受取って、ローマで十二枚にわたる長文の返事になっていた時なので、 「サー・デビー....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
つれて行くども、金が欲しくて子供をつれて行くんでねい。」 と言ってどうしても金を
受取りませんでした。多助は、もし太郎右衛門が
受取らなければその五枚も伊作に取られ....