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「受取人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

受取人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
花火」より 著者:太宰治
事件の再調査を申請して来たのである。その二年前に、勝治は生命保険に加入していた。受取人は仙之助氏になっていて、額は二万円を越えていた。この事実は、仙之助氏の立場....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
かに窓から見透《みえす》く。郵便局員|貴下《きか》、御心安《おこころやす》かれ、受取人の立田織次《たつたおりじ》も、同国《おなじくに》の平民である。 さて、局....
彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
のみであった。それでも状袋が郵便函の口を滑《すべ》って、すとんと底へ落ちた時は、受取人の一週間以内に封を披《ひら》く様を想見して、満更《まんざら》悪い心持もしま....
暴風雨に終わった一日」より 著者:松本泰
い合わせた。そして、彼はさらに黒手帳によって、あの物静かな健《けな》げな奥さんが受取人となっでいる二万円の生命保険金は、一人息子の直一を立派に教育していく財産に....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
臼井が持っている。わしではない」 「その密書の差出人《さしだしにん》は誰か。また受取人は誰なのか」 「名前ははっきり書いてなかった。ただ、差出人の名前に相当する....
奇賊は支払う」より 著者:海野十三
な鄭重慇懃を極めた脅迫状であった。しかしいくら鄭重慇懃でも、脅迫状は嬉しくない。受取人の苅谷勘一郎は焦慮熟考の末、一つの成案を得た。 (こういう事件は、警察へ話....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
なったが、その際興味のあるのは、この実施に先立って、郵便局が怪しげな郵便物はその受取人又は差出人に開示を命じるよう通牒を受けたことだ。今や出版物の取締りは、封緘....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
一応出入りの客の調べを受けて真っくろだ。 何といろいろな人生を黙示する、この、受取人のない酒場の郵便! 陸の声が、ここ「大地の果て」でぷっつり切れてるのだ。素....
東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
藤越後守も時によっては、立替えをもなし、また用脚が到着するとわざわざ使者をもって受取人派遣の督促をなし、あるいはわざわざ太刀金二百疋の折紙持参でやって来て、実隆....
盗まれた手紙」より 著者:佐々木直次郎
来たのです。彼の山猫のような眼はすぐその手紙を見つけ、宛名の筆蹟を認め、それから受取人の方の狼狽しておられるのを見てとり、その方の秘密を知ってしまったのですな。....
南京虫殺人事件」より 著者:坂口安吾
新しい方法を考えました。それは麻薬患者を探しだして、麻薬を餌に、密輸の荷物の仮の受取人に仕立てることです。奈々子さんはその受取人の一人だったのです。ところが、あ....
アリゾナの女虎」より 著者:牧逸馬
で、肉類は腐り易い。で、悪臭のする荷物が着くと、必ず駅員が立ち会って、その面前で受取人に開かせた上、異状無しと見て引き取らせることになっているのだ。で、今日もそ....
生きている戦死者」より 著者:牧逸馬
たのだ。早速セメンドリアのベラ・キス宛てに返事を出したが、この手紙は四個月後に、受取人死亡という附箋がついて聯隊から返されて来た。キスは、腹部の負傷が因で、ベル....
被尾行者」より 著者:小酒井不木
ものです。先日あなたの叔父さんが逝去されて、五千円の保険金を残され、あなたがその受取人になっているのです。そこであなたの捜索にとりかかり遂に一昨日探し出した次第....
青蛙神」より 著者:岡本綺堂
…。 高田 傷害保険……三千円……。 中二 親父はまだ知りますまいが、その保険の受取人は親父の名前になっているのです。万一わたしがこのまま死んでしまった暁には…....