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受口
「受口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
受口の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「刻々」より 著者:宮本百合子
るさ》く親につきまとわれる娘さんの気分が手にとるように映った。あのぽっちゃりした
受口に癇を立てて、ぷりぷりしながら沈んでいる姿まで思いやられるのであった。 傍....
「道標」より 著者:宮本百合子
遍だって普通だなんて云ったことはありませんよ」
「…………」
素子の、京都風な
受口の小麦肌色の顔や、そこから伸子を見ている黒い二つの棗《なつめ》形の眼、くつろ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
のである。 「わかれに、……その気でいたかも知れない。」 小杯は朱塗のちょっと
受口で、香炉形とも言いそうな、内側に銀の梅の蒔絵が薫る。……薫るのなんぞ何のその....
「野ざらし」より 著者:豊島与志雄
、丁度その時、奥の室から達子が出て来た。 「いらっしゃい。」 下唇の心持ち厚い
受口から出る、多少切口上めいた語尾のはっきりした言葉で、彼女は昌作を迎えておいて....
「死の前後」より 著者:豊島与志雄
いのだった。坪井は珍らしそうに、蔦子のなめらかな頬や、細そりした鼻筋や、肉感的な
受口の下唇などを、微笑しながら眺めた。 「この頃、やつれたようだね。早く、いい旦....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
奮に自ら酔うているように、止めどもなく、喰ってかかって行く。 子供らしい彼女の
受口の舌の中には、少しは的はずれでも、とにかく相手のどこかを突き刺す毒の針が、無....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
長の眼、彫刻に見るような端麗な鼻梁、大きくもなければ小さくもない、充分調和のよい
受口めいた口、結んでいても開いていても、無邪気な微笑が漂よっている。身長も高く肉....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
だ。 娘太夫は源女のお組、それに相違ないからであった。 瓜実顔、富士額、薄い
受口、切長の眼、源女に相違ないのであった。ただ思いなしか一年前より、痩せて衰えて....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
ならぬ。この辺の雀は勝手がちがうためか、時には実に無法な巣の作り方をする。雨樋の
受口に藁などを運んで来て、雨が降るたびに直ぐに流れる。煙突の上に巣を掛けて煙がよ....