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受売り
「受売り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
受売りの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「自叙伝」より 著者:大杉栄
。そして僕のような子供をつかまえても議論ばかりしていた。僕も負けない気で、秋水の
受売りか何かで、盛んに泡を飛ばした。 それから、この佐々木の友人で、フランス語....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
笑って、 「ここの石に刻《きざ》んであるからそれで知ったのだ」 「ははあ、石碑の
受売りか。その石碑もまた相当に古色があって面白い、年代はいつごろだろうか知ら」 ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
たしが、そんなに物識《ものし》りなのではございません、みんな白骨温泉の炉辺閑話の
受売りでございますから、買いかぶらないように、お聞き下さいましよ」 ここで、今....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
膳は受身で、お絹だけが乗り気になって、珍しいものの数々を、ひとり合点《がてん》の
受売り話みたようなものです。 「それからねえ、異人にもずいぶん、別嬪《べっぴん》....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
も価《あたい》しないのですが、こんなことをべらべら喋《しゃべ》るのは、何か相当の
受売りなのである。文明めかす奴があって何か言い触らすものだから、こういったおっち....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
いう日本の国の辺鄙《へんぴ》の島の中に、そんな音楽の天国があるものか、マドロスの
受売りだけでは信じられないが、女はその予備宣伝に相当引きつけられているらしい。
....
「変った話」より 著者:寺田寅彦
、K先生という、少し風変り、というよりも奇行を以て有名な漢学者に教わった友人達の
受売り話によって、孔子の教えと老子の教えとの間に存する重大な相違について、K先生....
「傷痕の背景」より 著者:豊島与志雄
した。思想の底に触れない相手の微笑が、自然と、彼をも微笑ました。 「なあに、みな
受売りです。」 「
受売り……。」 そして、杉本の微笑につりこまれて、突然声高に....
「青春論」より 著者:坂口安吾
小説などで表わす以上に、光彩|陸離たる個性を表わしているのである。以下、吉田氏の
受売りをして、すこしばかり武蔵の戦法をお話してみたいと思う。ただ、僕流にゆがめて....
「アインシュタイン」より 著者:寺田寅彦
な事に相違ない。彼の会話の断片を基にしたジャーナリストの評論や、またそれの下手な
受売りにどれだけの信用が措けるかは疑問である。ただ煙の上がる処に火があるというあ....
「夢のお七」より 著者:岡本綺堂
のことを書いたのは、ある老人からそれに因んだ昔話を聞かされたからである。その話の
受売りをする前提として、昔もこういう事があったと説明を加えて置いたに過ぎない。 ....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
を失う善良な人に限って、山賊に大きくやられるものなんだね。 安吾巷談を
受売りして千円の罰金をとられた話 謹啓、本当はこの手紙は坂口さんに読んで戴き度....
「城」より 著者:カフカフランツ
を跳ねのけた。「そんなに大げさなことじゃないんです。それはただ村の人びとの考えの
受売りなんですよ。さあ、もうお帰りなさい、婚約者のところへお帰りなさい。あなたが....
「ワーニャ伯父さん」より 著者:神西清
やれリアリズムだ、やれナチュラリズムだ、やれくしゃくしゃイズムだと、人様の考えを
受売りして来ただけの話さ。二十五年のあいだ、あいつが喋ったり書いたりして来たこと....