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受話器
「受話器〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
受話器の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「影」より 著者:芥川竜之介
書類が一山片づいた後《のち》、陳《ちん》はふと何か思い出したように、卓上電話の
受話器を耳へ当てた。
「私《わたし》の家《うち》へかけてくれ給え。」
陳の唇を....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
う云ったまま、ばたばた茶の間の方へ駈けて行った。
洋一は妙にてれながら、電話の
受話器を耳へ当てた。するとまだ交換手が出ない内に、帳場机にいた神山《かみやま》が....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
、ちょうど陰と日向《ひなた》とのように泰さんの饒舌《しゃべ》って行く間を縫って、
受話器の底へ流れこむのです。始めの内は新蔵も、混線だろうくらいな量見で、別に気に....
「或る女」より 著者:有島武郎
は目もくれずに帳場に行って電話室に飛び込むとぴっしりと戸をしめてしまった。そして
受話器を手に取るが早いか、電話に口を寄せて、
「あなた義一さん? あゝそう。義一....
「海底大陸」より 著者:海野十三
線技士のかたをついた。 技士は、やがて船上を飛行する偵察機とれんらくをつけた。
受話器から、司令ラスキン大尉の声が聞こえはじめた。 「こっちはラスキン大尉だ。ス....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
るずると引っ張りだし、そのはしを耳の穴に近づけた。紐線の端には、線とおなじ太さの
受話器がついていた。 「ああ、ミネ君か。……えッ、なんだって。第六号艇がおかしい....
「宇宙の迷子」より 著者:海野十三
でポコちゃんに話しかけた。無線電話器は、空気服のせなかに取りつけてあり、送話器と
受話器の線は、服の内がわを通って、ポコちゃんの口と耳のところへいっている。 「い....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
たのだ。 リーマン博士はやれやれというような顔をして、ゴムの手袋をぬいだ。頭に
受話器をかけた一人の助手が、二枚の紙を博士に渡した。博士はそれを読んだが、その一....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
の事件は絶対に秘密ですから、ご承知置き下さい。私は寝ないであなたを待っています」
受話器を掛けると、帆村はこういう時の仕事をするために用意しておいた鞄を、壁から外....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
の梁上に留めると、針金は短波を送るためのアンテナとなった。 そこで彼は、小さな
受話器を耳にかけ、同じく缶の底にとりつけてある電鍵をこつこつ叩いて、軍艦明石の無....
「橋」より 著者:池谷信三郎
来ない? ――行きます。 その時彼は電話をとおして、低い男の笑声を聞いた。彼は
受話器をかけるといきなり帽子を握った。頬っぺたをはたかれたハルレキンのような顔を....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
…… そこへ突然鳴り出したのはベッドの側にある電話だった。僕は驚いて立ち上り、
受話器を耳へやって返事をした。 「どなた?」 「あたしです。あたし……」 相手....
「米」より 著者:犬田卯
はん……ははア……いや、全く……それではまず……さいなら。」 そこでがちゃりと
受話器をおく音がして、急ぎ足にスリッパを鳴らしながら係が現れた。半白の小柄な猿の....
「J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
例もある。謂わば近代科学を悪用したもので、次のような色んな例がある。 ――電話の
受話器中に銃と同じ仕掛けのものが隠されていて、部屋の主が
受話器を外すと同時に頭部....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
という響き、何、響くほどの広さじゃない。あの手狭ですから、直ぐそこに、馬鹿な……
受話器に向ったものの顔も白いように聞えて優しい名だな、と思いますと、はいはい、と....