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受難
「受難〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
受難の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
孫七はとうとう堕落した。
この話は我国に多かった奉教人《ほうきょうにん》の
受難の中《うち》でも、最も恥《は》ずべき躓《つまず》きとして、後代に伝えられた物....
「おしの」より 著者:芥川竜之介
した。ちょうど薄日に照らされた窓は堂内を罩《こ》めた仄暗《ほのくら》がりの中に、
受難の基督《キリスト》を浮き上らせている。十字架の下《もと》に泣き惑《まど》った....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
大体|下《しも》のような具合である。
上人《しょうにん》「御主《おんあるじ》御
受難の砌《みぎり》は、エルサレムにいられたか。」
「さまよえる猶太人」「如何《い....
「誘惑」より 著者:芥川竜之介
い。が、次第にその上に世界に君臨した神々の顔が一つずつ鮮かに浮んで来る。最後には
受難の基督《キリスト》の顔。最後には?――いや、「最後には」ではない。それも見る....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ての迫害と窮乏とを甘受し、十字架の死をさえ敢えて堪え忍んだ。だからお前達は基督の
受難によって罪からあがなわれたのだ。お前達もまた彼にならって、犠牲献身の生活を送....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
である。 しかし四百機の来襲で、金鯱の名古屋城天守閣も焼失した。大きな建築物の
受難時代である。敵は三キロ焼夷弾を使い出した。 ◯このごろ壕内へ持込むものは、次....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
があった。
「うんそうだ。レヴェズの失踪が、僕に栄光を与えてくれたよ。現在僕等の
受難たるや、あの男の物凄い諧謔を解せなかったにある。ねえ熊城君、あの鍵は殯室の中....
「怪しの館」より 著者:国枝史郎
ません」 「それが……」と武士の声がした。たしなめるような声であった。「こういう
受難を産んだのだよ」 「可哀そうな可哀そうなお母様!」 「だが私達も可哀そうだっ....
「南蛮秘話森右近丸」より 著者:国枝史郎
いや恐らくあるだろう、解くがいい解くがいい! 幸福が来る、解いた者へは! だが
受難も来るだろう! だが
受難を避けてはならない! どんなものにも
受難はある。
受難....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
」 物に動じなかったお八重の顔が、見る見る蒼褪め眼が血走った。 お八重の
受難 そういうお八重を松浦頼母は、嘲笑いの眼で見詰めたが、 「去年の秋御殿で催....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
水戸様石置き場の空屋敷にある笹家から火の手の上がった時で、小次郎の兄の山県紋也が
受難の時刻と同じ時刻であった。
小次郎は柔弱ではあったけれども、ともかくも兄に....
「褐色の求道」より 著者:岡本かの子
の本の主人公シッダールタは、釈尊のコースを直線とすれば、これに対して弧形を描き、
受難求道して幾分か大乗仏義を窺い得た形跡がある。 求道の手法としては吠陀や婆羅....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
塔のなかに投げ込まれた。そして摂政はエリザベスをも謀叛の罪に連坐させようとした。
受難の娘はしょげなかった。トウマス・シイモアのようすや手くだは、なるほどおもしろ....
「私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
谷監獄、秋田の阿仁銅山争議など――。しかしこれらのものは社会主義者としての当然の
受難とも思えたのである。しかし戦争はもっと残酷なものだった。戦闘員たると否とにか....
「作家としての問題」より 著者:小川未明
資本主義に反抗して、芸術を本来の地位に帰す戦士でなければなりません。かゝる芸術の
受難時代が、いつまでつゞくか分りませんが、考えようによって、アムビシャスな作家には、興味ある時代であります。....