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叙情
「叙情〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
叙情の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「兄たち」より 著者:太宰治
この「青んぼ」という変な名前の雑誌の創刊号には、編輯長は自重して小説を発表せず、
叙情詩を二篇、発表いたしましたが、どうも、それは、いま、いくら考えてみても傑作と....
「映画と癩の問題」より 著者:伊丹万作
。 映画「小島の春」が抒情的で美しいということはいったい何を意味するのだろう。
叙情的で美しい絵を作ることが最初からの目的であるなら、何を苦しんで癩のような材料....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
有ったね。その襟の赤と黒の色の取り合せも?」 「ええ」 「ふーむ、ユニークな母子
叙情の表現法だなあ」 かの女は、枕元のスタンドの灯を消し、自分の頬に並べて枕の....
「河明り」より 著者:岡本かの子
た。 こういう智識もその若い学者から学ぶところが多かったと、娘は真向から恋愛の
叙情を語り兼ねて先ずこういう話から初めたのであった。 娘は目白の学校への往復に....
「装幀の意義」より 著者:萩原朔太郎
て私自身の解釈による芸術を眺めることができるからだ。 思へ一つの同じ音楽、同じ
叙情詩、同じ宗教に対して、いかに多くの異つた解釈があるか。すべての芸術とすべての....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
ったし、彼らを気後《きおく》れさせるものはなかった。今では一週に二、三度、熱烈な
叙情味の文体で手紙を書き合っていた。現実の出来事を語ることはほとんどなかった。突....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
つの交響曲《シンフォニー》、一つの協奏曲《コンセルト》、一つもしくは二つの序曲、
叙情劇一幕。しかもドイツやロシアやスカンジナヴィアやフランスなど各国でできたもの....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
リヴィエから得たがっていた。聖書の短い断片やインドの詩、宗教的なあるいは道徳的な
叙情小曲、自然のちょっとした画幅、恋愛的なあるいは家庭的な情緒など、単純健全な心....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
しだすとすぐに爆発し、一種の快活さがその熱烈の度を強め、嬉々《きき》たると同時に
叙情的になった。
「神々を悪く言いたもうな。」と彼は言った。「神々はおそらく消滅....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
の壁だった。
丸屋根の背後の壁はちょうど、ベルカン(訳者注 フランスのやさしい
叙情詩人)の向こうに見ゆるミルトンのごときものであった。
その壁はごく高かった....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
の減少を回復せんがためには、銀行家らもマルセイエーズを高唱した。勘定場のためにも
叙情詩的な血が流された。人々はスパルタ的な熱誠をもって、祖国の微小縮図たる店頭を....
「ダス・ゲマイネ」より 著者:太宰治
この甘酒屋で異様な男を見た。その日は土曜日で、朝からよく晴れていた。私はフランス
叙情詩の講義を聞きおえて、真昼頃、梅は咲いたか桜はまだかいな。たったいま教ったば....
「映画と音楽」より 著者:伊丹万作
が、まず一般的なことからふれて行くと、音楽家は多くの場合、我々の期待よりも過度に
叙情的なメロディーを持つてくる傾向がある。 自分の場合を例にとつていうと、作者....
「夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
みればそのあらだけが目について、どうにも長く見ているに堪えられなくなる。おれには
叙情についての才能が足りない。かれはつくづくそう思って困惑した。素直に情感が流れ....
「はつ恋」より 著者:神西清
叙事詩のテーマにはなりかねますな」と、さも勿体らしく彼は指摘した。――「しかし、
叙情詩の材料として、あなたのイデーを頂くとしましょう」 「ロマンティクなものです....