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「叙景〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

叙景の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
よ》みこなしてあっても、一句一首のうちに表現されたものは、抒情《じょじょう》なり叙景なり、わずかに彼の作品の何行かを充《みた》すだけの資格しかない。そういう芸術....
武蔵野」より 著者:国木田独歩
とう》にある一節であって、自分がかかる落葉林の趣きを解するに至ったのはこの微妙な叙景の筆の力が多い。これはロシアの景でしかも林は樺の木で、武蔵野の林は楢の木、植....
柿の種」より 著者:寺田寅彦
恋の句を作るのは恋をすることであり、野糞の句を作るのは野糞をたれる事である。叙景の句はどういう事になるか。 それは十七字の中に自分の欲する景色を再現するだ....
踊る地平線」より 著者:谷譲次
に徐々に動いて、むこうの闘牛場の入口へ吸い込まれていくと思えばいい。そして、この叙景に忘れてはならないものは、じりじりする太陽と真黒な地物の影、女の頬と旗と植物....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
たものであろう。併し三山の歌とせずに、同一作者が印南野海浜あたりで御作りになった叙景の歌と看做せば解釈が出来るのである。 大意。今、浜べに立って見わたすに、海....
大正女流俳句の近代的特色」より 著者:杉田久女
写が全部であるかの如くも思えるが、大景を叙した句も少くない。而し一般的には女流は叙景叙事には男子の如き技量なく、矢はり彼女らの本領は女らしい材料、捉え所、におい....
桜花を詠める句」より 著者:杉田久女
情緒主観の句が殆ど大部分をしめている、元禄時代の句としてはかなりしっかりした叙景句として価値をみとめる。かな女さんの、山川を徒歩で渉るいう句も才気が見え、さ....
あしびの花」より 著者:土田杏村
とが出来ない。「あしびなす栄えし」と枕詞に使はれたり、「山もせにさける馬酔木」と叙景せられたりするのを見れば、その花は「賑はしく麗しく且甚だ多く連らなりてさく花....
北斗帖」より 著者:違星北斗
私の短歌 私の歌はいつも論説の二三句を並べた様にゴツゴツしたもの許りである。叙景的なものは至って少ない。一体どうした訳だろう。 公平無私とかありのまゝにと....
悲願に就て」より 著者:坂口安吾
上気して小さな葛藤がまきおこるという話。だがこの作品では専ら人間の取扱い方法すら叙景的で、娘の葛藤も表面的な風景画に終っているのは物足りない。 阪中正夫氏の「....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
ら、一両年此方、段々ある落ちつき場処を求め獲た様子を見ると、万葉の外殻を被って、叙景詩に行き止ったものは、まだしも、多少の生きた気魄を感じることは出来るが、外々....
チェーホフの短篇に就いて」より 著者:神西清
得されて行った独自の簡潔主義から、必然的に生み出されたもので、著しい例は主として叙景の際に用いられる唐突な「嵌入法」である。それは時として突飛な擬人法の挿入、時....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
十四 鎌倉末この方の自然観照、天象が景色の重要な要素となる、『玉葉』『風雅』の叙景歌の功績、頓阿の歌、牧渓水墨山水に触れた心 十五 宗良親王、『新葉集』 十六....
文章を作る人々の根本用意」より 著者:小川未明
用のための文書、書簡、報道記事等も文章であれば、自己の満足を主とする紀行文、抒情叙景文、論文等も文章である。 こゝには主として後者即ち文学的味いを生命とする文....
読むうちに思ったこと」より 著者:小川未明
レマルクの、「その後に来るもの」の中にも、ところ/″\、一幅の絵として見るに足る叙景があったと記憶します。水溜りにうつった空の景色や、柔らかな畠の土の色などを、....