»
叛
「叛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
叛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
のも、――しかし有王《ありおう》、喜んでくれい。おれは鶴の前に夢中になっても、謀
叛《むほん》の宗人《むねと》にはならなかった。女人《にょにん》に愛楽を生じたため....
「或る女」より 著者:有島武郎
年配の女が等しく感じ出した一種の不安、一種の幻滅――それを激しく感じた葉子は、謀
叛人《むほんにん》のように知らず知らず自分のまわりの少女たちにある感情的な教唆を....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
学者に言われるような、薄っぺらな奴等が、先生の目を抜こうなぞと、天下を望むような
叛逆を企てるな。 悪事をするならするように、もっと手際よく立派に遣れ。見事に己....
「妖術」より 著者:泉鏡花
戸越しに西洋|小間ものを覗く人を透かしたり、横町へ曲るものを見送ったり、頻りに謀
叛気を起していた。 処へ…… 一目その艶なのを見ると、なぜか、気疾に、ずかず....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
いるから、若いものに馬鹿にされたり、また、自分が一生懸命になっている女にまでも謀
叛されたりするのだ」と、男泣きに泣いたそうだ。 ある時などかれは、思いものの心....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
集結を了したりとの報あり!」 「布哇の日系米人、騒がず」 「墨西哥の首都附近に、
叛軍迫る、一両日中に、クーデター起るものと予測さる」 「英、仏両国は中立を宣言す....
「地獄街道」より 著者:海野十三
辻永が探偵に夢中になっている間にこの女を誘い出してどこかへ隠れてやろうかという謀
叛気も出た。それほど私は、辻永のキビキビした探偵ぶりにどういうものか気が滅入って....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
捻平が坐りながら腰を伸して高く居直る。と弥次郎|眼を※って、 「や、平家以来の謀
叛、其許の発議は珍らしい、二方荒神鞍なしで、真中へ乗りやしょう。」 と夥しく景....
「阿Q正伝」より 著者:井上紅梅
彼はハッとして身を転じると、秀才は竹の棒キレをもって行手を塞いだ。 「キサマは謀
叛を起したな。これ、こん畜生………」 竹の棒はまた彼に向って振り下された。彼は....
「薬」より 著者:井上紅梅
!――あの小わッぱめ。本当に大それた奴だ。牢に入れられても監守に向ってやっぱり謀
叛を勧めていやがる」 「おやおや、そんなことまでもしたのかね」 後ろの方の座席....
「頭髪の故事」より 著者:井上紅梅
に当てた。本家にあたるある者はわたしをお上に訴える準備までしたが、後で革命党が謀
叛を起してあるいは成功するかも知れないと思ってこれだけは止《や》めた。考えてみる....
「死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
して縛り放しにされている意気地無さ。我と吾身に愛想の尽きるので有った。之も皆師に
叛いた罰だ。堕落した為だ。然ういう風に悔いながら、 「姉御、どうか許して呉れ。如....
「瘠我慢の説」より 著者:石河幹明
ものはあるべからず。 或は西南の騒動は、一個の臣民たる西郷が正統の政府に対して
叛乱を企てたるものに過ぎざれども、戊辰の変は京都の政府と江戸の政府と対立して恰も....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
わ若様。 瀬古 ひやかすなよ。 花田 全くだ。第一僕たちのような頸骨の固い謀
叛人に対して、大家先生たちが裏書きどころか、俺たちと先生がたとなんのかかわりあら....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
のかと思うとそうでない。 (あン畜生、根生いの江戸ッ児の癖にしやがって、卑劣な謀
叛を企てたな。こっちあ、たかだか恩を売って、人情を買う奴だ、贅六店の爺番頭か、三....