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叟
「叟〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
叟の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
、どうか心にかけられぬ様にと、今度は素直に申しました。その時はもう苦笑いよりは北
叟笑《ほくそえ》んでいたことも覚えて居りまする。」
「何をまた数馬は思い違えたの....
「高野聖」より 著者:泉鏡花
よ。そうしてにやにやと、また一通りの笑い方ではないて、薄気味《うすきみ》の悪い北
叟笑《ほくそえみ》をして、
(何をしてござる、ご修行の身が、このくらいの暑《あつ....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
模様とも判らない。大きく結んだ背中の帯と、両方へ捌き拡げた両袖とが、ちょっと三番
叟の形に似ているなと思う途端に、むくりと、その色彩の喰み合いの中から操り人形のそ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
へ上ったというではなし、たかだか船の中の車座、そんな事は平気な野郎も、酒樽の三番
叟、とうとうたらりたらりには肝を潰して、(やい、此奴等、)とはずみに引傾がります....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
争われず、この捻平を誰とかする、七十八歳の翁、辺見秀之進。近頃孫に代を譲って、雪
叟とて隠居した、小鼓取って、本朝無双の名人である。 いざや、小父者は能役者、当....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
くれ。やい、腸を掴出せ、へん、馬鹿な、)とニヤリと笑う。いや、そのね、ニヤリと北
叟笑みをする凄さと云ったら。……待てよ、この御寮人が内証で情人をこしらえる。嫉妬....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
くくって、ふらふらと入って来ましたがね。おさらいや、おおさえや、そんなものは三番
叟だって、どこにも、やってやしませんのさ。」 「はあ。」 とばかり。 「お前さ....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
と手を取るに、さりとも拒み得で伴われし。木戸に懸る時、木戸番の爺われを見つつ、北
叟笑むようなれば、面を背けて走り入りぬ。 人大方は来揃いたり。桟敷の二ツ三ツ、....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
あはは、」と洲の股の御前、足を挙げる。 「洲の股もめでたいな、うふふ、」 と北
叟笑みつつ、坂下の嫗は腰を捻った。 諸声に、 「ふァふァふァ、」 「うふふ、」....
「露肆」より 著者:泉鏡花
ト笏に取って、尖を握って捻向きながら、帽子の下に暗い額で、髯の白いに、金が顕な北
叟笑。 附穂なさに振返った技師は、これを知ってなお照れた。 「今に御覧じろ。」....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
、演劇にするようなことを遣っとるわ。」 十四 多磨太は言懸けて北
叟笑み、 「貴様も覚えておいてちと慰みに覗いて見い。犬川でぶらぶら散歩して歩いて....
「凧の話」より 著者:淡島寒月
いろいろな事を話して見よう。 凧の種類には扇、袢纏、鳶、蝉、あんどん、奴、三番
叟、ぶか、烏、すが凧などがあって、主に細工物で、扇の形をしていたり、蝉の形になっ....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
はり寄席の高坐から移植されたもので、春錦亭柳桜の人情話である。 柳桜は名前を柳
叟と云ったように記憶している。江戸末期から明治の中期にわたる人情話の真打株で、円....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
「伊勢三郎」「寺子屋」「忠信道行」「義経吉野落」「土蜘蛛」「山姥」「あやつり三番
叟」「六歌仙」「元禄踊」「靫猿」などを差替えて上演したのである。これらは誰も知る....
「鉄の処女」より 著者:大倉燁子
だ苦力の白骨を、伯父が携えて上京したものです、私は自分の狂言がうまく当ったのに北
叟笑んで、その後の成り行きを眺めておりました。 そして相変らず遊んでいました、....