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「叢林〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

叢林の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
秋山図」より 著者:芥川竜之介
たような翠黛《すいたい》ですが、それがまた※《しゅ》を点じた、所々《しょしょ》の叢林《そうりん》の紅葉《こうよう》と映発している美しさは、ほとんど何と形容して好....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
神札は別当松智院社人よりこれを出だす。遠近これを信じて授かる者多し。夏秋の頃山中叢林にこれを懐中すれば蝮蛇逃げ去るという、云々」と、書いてあった。....
茶の本」より 著者:岡倉覚三
人の生活における一活動勢力に作りあげた。馬祖の弟子百丈(七一九―八一四)は禅宗|叢林を開創し、禅林清規を制定した。馬祖の時代以後の禅宗の問答を見ると、揚子江岸精....
河明り」より 著者:岡本かの子
い空間ではなく、色彩と密度と重量をもって、すぐ皮膚に圧触して来る濃い液体である。叢林は大地を肉体として、そこから迸出する鮮血である。くれない極まって緑礬の輝きを....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
か」 「それはね、『|盤根の沼』というのは、錯綜たる根の沼だ。沼が盤根錯綜たる、叢林のしたにあるという意味だ。それから『|知られざる森の墓場』というのは、巨獣の....
黄金虫」より 著者:佐々木直次郎
ば十五フィートから二十フィートの高さにもなって、ほとんど通り抜けられないくらいの叢林《そうりん》となって、あたりの大気をそのかぐわしい芳香でみたしている。 こ....
宝島」より 著者:佐々木直次郎
を射貫かれたのだ。 吾々がこの成功を喜びかけていたちょうどその瞬間、ピストルが叢林の中でばあんと鳴り、一発の弾丸が私の耳を掠めてぴゅっと飛び、可哀そうにトム・....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
のらしいんだが、三百年足らずの間にどうだ、この東の国の一劃にも、このように幽麗な叢林を形成してしまったのだ。……まるで、もうここはあの国の幽邃境だ。……深遠な唐....
「太平洋漏水孔」漂流記」より 著者:小栗虫太郎
ている。それだのに、赤道ちかいとは何事であろう。事によったら、皇后アフガスタ川の叢林中につないで置いたあいだ、なにか羅針盤が狂うような原因があったのではないか。....
「マリー・ロオジェ事件」の研究」より 著者:小酒井不木
にロッス夫人の小さな子供たちによって発見された。即ち彼等が森へ遊びに行くと、奥の叢林の中に白の下袴と絹のスカーフとパラソルとM・Rというイニシアルのついた麻の手....
香熊」より 著者:佐藤垢石
の方から流れる濁り川と呼ぶ渓流へ足を入れた。 渓流は、その頃まだ冬枯れのままの叢林に掩われている。案内人と二人は、ある場所で渓流を徒渉して対岸へ渡ろうとして、....
熊狩名人」より 著者:佐藤垢石
を用いています。筒の短い鉄砲を選んだというのは、私は遠撃ちをしませんからで、また叢林や藪や※しい崖を這ったりするので、筒が長いと邪魔になるからです。 遠撃ちで....
老狸伝」より 著者:佐藤垢石
げた逃げた。 群馬県吾妻郡応桑村北軽井沢の一匡村近くまで一里ばかりの間、どこの叢林、どこの野原を走ったのであるか夢中で走って、われに返った。 そこで、漸く無....
採峰徘菌愚」より 著者:佐藤垢石
痘鳴と、大妖と論愚の四人は斜酣のあとへ從った。目ざすところは、武蔵野の大泉方面の叢林である。 斜酣を先導として武蔵野鉄道の大泉駅へ下車して村を抜け、野路を越え....
水の遍路」より 著者:佐藤垢石
度か心を惹かれた。初夏、浅緑のおおう渓のなぎさに佇めば、前白根に続いた近い斜面の叢林が美しい。 金精峠を越して菅沼へも、丸沼へも行った。そして、大尻川を下って....