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口
「口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
口の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
男の顔は生憎《あいにく》田舎者《いなかもの》らしい父親ではない。綺麗《きれい》に
口髭《くちひげ》の手入れをした、都会人らしい紳士である。少年の顔に往来する失望や....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
一言《いちごん》も彼を犒《ねぎら》わなかった。
甚太夫の負けざまは、間もなく蔭
口《かげぐち》の的になった。「甚太夫は戦場へ出て、槍の柄を切り折られたら何とする....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
《だいぶ》面白い話が出たようでございますな。」
忠左衛門も、傍《かたわら》から
口を挟《はさ》んだ。
「面白い話――と申しますと……」
「江戸中で仇討《あだうち....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
身御告げをなさるのですからね」 亜米利加人が帰ってしまうと、婆さんは次の間の戸
口へ行って、 「恵蓮。恵蓮」と呼び立てました。 その声に応じて出て来たのは、美....
「兄貴のような心持」より 著者:芥川竜之介
の人間の出来上っている結果だろうと思う。ではその人間とはどんなものだと云うと、一
口に説明する事は困難だが、苦労人と云う語の持っている一切の俗気を洗ってしまえば、....
「狂女」より 著者:秋田滋
た。 死と云うやつは、一たびどこかの家へ這入ると、それから後は、もうその家の入
口をすっかり心得てでもいるように、すぐまたその家を襲いたがるものらしい。 年わ....
「墓」より 著者:秋田滋
。論告を了って検事が着席すると、 「死刑だ!」 「死刑にしろ!」 傍聴人たちは
口々にそう叫びだした。裁判長はそれを静めるために並々ならぬ骨を折った。かくて法廷....
「初雪」より 著者:秋田滋
* * * この散歩路のほうに向って入
口のついた、小粋な構えの小さな家が一軒あったが、折しもその家から若い女がひとり出....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
にはありしなり。さりければなおさらに学問を励み、新たに来る教師には難問をかけて閉
口させ、後には父にも伯父にも
口を開かせぬ程になり、十五の歳新潟へ出て英学をせしが....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
無味乾燥ではない。電磁気廻転を発見して、踊り喜び、義弟をつれて曲馬見物に行き、入
口の所でこみ合って喧嘩椅子にかかりて、西向きの室から外を眺めつつ日を暮らし、終に....
「寡婦」より 著者:秋田滋
色の頭髪をもった、顔の蒼白い、淑やかな、言葉遣いのゆッたりとした、静かな声をして
口を利く娘で、眼つきと云ったら、それはそれは優しくて、聖母の眼つきにそッくりと申....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
州の奥深く、あちらこちらにあるオランダ人の住む辺鄙な渓谷のなかにあり、ここでは人
口も風俗習慣もかわらないのだ。休むことを知らないアメリカのほかのところでは、移住....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
あるきをする獣を怯えさせながら夜が明けるまで馳け※った。――女房はまた女房で、戸
口の石のうえにべッたり腰をついたまま、朝になるまで、おいおい泣いていた。 子供....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
にはまったく見えなくなってしまう。急速力で走る汽車でヨーロッパを横切り、その昇降
口から眺めてみよ。ひと、ひと、ひと、どこまで行っても人だ。数限りない見知らぬ人が....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
。 「面白いものが落ってるよ。」 と多助は、笑いながら言うと、太郎右衛門も大きな
口を開いて笑いました。 「伊作の拾うんだもの、碌なものでなかべいになあ!」 と太....