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口を糊する
「口を糊する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
口を糊するの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
、初めの数日間は終日かけ廻って僅か数軒の得意を得たばかり、かくてはとうてい夫婦の
口を糊するに足らないので、彼は夜は辻俥を挽き、これで得た金を食料に当て、先に資本....
「高瀬舟」より 著者:森鴎外
事を見つけるのに苦しんだ。それを見つけさえすれば、骨を惜しまずに働いて、ようよう
口を糊することのできるだけで満足した。そこで牢に入ってからは、今まで得がたかった....
「昨日・今日・明日」より 著者:織田作之助
はなかったし、よしんば寄席があっても、もう落語は語りたくなかった。だから、二人の
口を糊するには、靴磨きにでもなるか、市電の切符を売って歩くかの二つだった。靴磨き....
「学問の独立」より 著者:福沢諭吉
せん。口を糊《こ》せんとすれば、学を脩むるの閑《かん》なし、学を脩めんとすれば、
口を糊するを得ず。一年三百六十日、脩学、半日の閑を得ずして身を終るもの多し。道の....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
に要する精力と時間とを削がれるでしょうし、だんだん苦しくなってゆきますね。しかし
口を糊するための労働のない生活はけっして健全なものではありませんね。そのような生....
「随筆 私本太平記」より 著者:吉川英治
ものにほかならない。 その一つに。関東大震災の直後、ぜひなくまずい小説を書いて
口を糊する心をきめ、冬から翌年まで、信州の山奥へこもっていたが、その折世話になっ....
「雪の日」より 著者:近松秋江
に暴露して、それで飯を食うということが、どうして堪えられよう! 私は、まだこの
口を糊するがために貴重なる自己を売り物にせねばならぬまでにあさましくなりはてたと....
「放免考」より 著者:喜田貞吉
して別に生活の道を求め、或いはいわゆる雑式浮宕の輩となりて、放浪に衣食し、随処に
口を糊するものも出来たに相違ない。そしてこれらの中から採用せられた少数のものが、....