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「口を閉じる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

口を閉じるの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
明暗」より 著者:夏目漱石
けるような笑い方をした。 「私がですか」 「いいえ、両方がよ」 苦笑した津田が口を閉じるのを待って、夫人の方で口を開いた。 「延子さんと秀子さんは昨日《きのう....
天主閣の音」より 著者:国枝史郎
覚めようとは思われないが、併しあの男以外に、こんな一軒屋へ遣って来て、秘密の出入口を閉じる者は、他にあろうとは思われない。ははあ偖は香具師奴、眠ったような様子を....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
りませんでしたが、遂に私の面前で恥且つ悔いながら逐一申述べました」 こう云って口を閉じると、神戸牧師はそのまゝむっつり黙り込んで終った。 裁判長はこゝぞと声....
茨海小学校」より 著者:宮沢賢治
いきなり、狐の生徒らはしいんとなりました。黒のフロックを着た先生が尖った茶いろの口を閉じるでもなし開くでもなし、眼《め》をじっと据《す》えて、しずかにやって来る....
ものの影」より 著者:豊島与志雄
浜地だけが残った。その浜地に、彦一は身を曝してる感じがした。 潮が引けば、貝は口を閉じる。彦一も口を閉じて、一本松事件に触れることを避けた。 不用意に、ずい....
Resignation の説」より 著者:森鴎外
す。 おおかたこんなことを言えば、即ちそれが厭味だと云うかも知れません。然らば口を閉じるより外はないようなものです。 所が、私の考えている事は全く違っていま....
三国志」より 著者:吉川英治
すまい」 孔明の面は淡紅を潮している。言語は徐々、痛烈になってきた。 虞翻が口を閉じると、すぐまた、一人立った。淮陰の歩隲、字は子山である。 「孔明――」こ....
ある完全犯罪人の手記」より 著者:酒井嘉七
す」 「そうです。証拠があれば、あなたは十五年前に絞首台に上っています」 彼は口を閉じると、思いがけなくも怱々と立ち上った。そして、 「私は機会を待ちます。今....