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「口不調法〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

口不調法の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
難渋な中ゆえ、遂《つい》大屋さんに黙って使いました段は誠に恐入りますという所が、口不調法ではございますが、曲淵甲斐守様が一目見れば孝心な者で有るか無いかはお分り....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
何ごとじゃ、貴様われわれを愚弄いたしおるなッ」 「どう以《も》ちまして。生れつき口不調法でござりますゆえ、なんと申してお詫びしたらよいやら分らぬのでござります。....
黒髪」より 著者:近松秋江
たはんにもお世話かけましたお蔭で私もちょっと楽になったとこどす」 自分でもよく口不調法だといっている彼女は、たらたらしい世辞もいわず、簡単な言葉でそんなことを....
足迹」より 著者:徳田秋声
で、一向|音沙汰なしで……。」と、母親は四つになった末の弟とお庄との間に坐って、口不調法に挨拶していた。 母親は病身な正雄の小さい時分のことや、食事の細いこと....
浮雲」より 著者:二葉亭四迷
思召《おぼしめ》さない」 「イヤ決してそう言う訳じゃア有りませんが、御存知の通り口不調法なので、心には存じながらツイ……」 「イイエそんな言訳は聞きません。なん....
唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
まで、 (再び、御機嫌のお顔を拝することを得まして、私一代の本懐です。生れつきの口不調法が、かく眼前に、貴方のお姿に対しましては、何も申上げる言を覚えません、た....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
へ寄って来て、 「北原さん、これがあなたへ宛ててのお雪ちゃんの手紙でございます、口不調法な私には、何からお話を申し上げてよいか分りませんが、これをごらん下さると....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
もう下らないこと、くどくど申上げまして、よくお聞き遊ばして下さいました。昔ものの口不調法、随分御退屈をなすったでございましょう。他に相談相手といってはなし、交番....
式部小路」より 著者:泉鏡花
え、へん、馬鹿にしねえや。何でえ、」 と、下唇を反らすのを、女房はこの芸なしの口不調法、お世辞の気で、どっかで喧嘩した時の仮声をつかうのかと思っていると、 「....
贋物」より 著者:葛西善蔵
儀なもんです」 ざっと紹介状に眼を通した後で、先生はこんなことも言ったりした。口不調法な耕吉に代って、芳本は耕吉の出京の事情などひととおり述べた。 「それでは....
樹氷」より 著者:三好十郎
に酌をさせてくれろ、喜助さん、それからお豊さん、それから壮六よ、どうも俺あいつも口不調法で、礼一つ言わねえが、こんたびはありがとうがす。こんとおりだ。(ガサガサ....