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口中
「口中〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
口中の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
麝香鼠の外には何もなかった。この麝香鼠が海底で食餌を求めていた。その間にこの鼠の
口中に泥がたまったのを吐き出したのがだんだんに一つの島となり、それが生長してつい....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
、私が、あのちどり子の次兄であったとして、いやそう驚かなくてもいいよ、先刻、君が
口中で味い、胃袋へおとし、唯今は胃壁から吸収してしまったであろうと思われる、アノ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
」 頭を足蹴にされた。腹にも載った。胸元を踏みつけては、駆けだしてゆく。あッ、
口中へ泥靴を……。 あとは、なにがなんだか判らなかった。 パタリパタリと、群....
「地中魔」より 著者:海野十三
ロープの端っこをつかんだ。 (見ろよ見ろ、見ろ!) 彼は、岩の独言を真似して、
口中でいった。 ロープの端っこは、素早く機関車の鉄格子に結びつけられた。 「も....
「独本土上陸作戦」より 著者:海野十三
りにも空爆下に無神経でありすぎるのに愕き、周章てて持薬のジキタリスの丸薬をおのが
口中に放りこむと、金博士を桟橋の上に積んだ偽装火薬樽のかげに引張りこんだ。 「あ....
「時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
事の用意が出来たと聞いた途端に、博士はまるで条件反射の実験台の犬のように、どうと
口中に湧き出でた唾液を持てあましながら、半ば夢中になって隣室へ駆け込んだ。 「い....
「空気男」より 著者:海野十三
ップに水をなみなみと注いで、 「さらば、愛するオクサンよ!」 と云うなり、薬を
口中に抛りこもうとした。ぜんそくの薬と思わせたのは、実は消身薬の包みであった。 ....
「火薬船」より 著者:海野十三
マ号の船員だ。 彼は、竹見からもぎとった火のついた煙草を、大口あいて、ぱくりと
口中へ! まるで、はなしにある煙草ずきの蛙のように。 「おや、この煙草どろぼうめ....
「太平洋魔城」より 著者:海野十三
、これかな) と思って彼は、その吸口みたいなものをすってみた。すると、どろんと
口中にながれこんできた液体が、舌をぴりぴりとさした。そしてぷーんと、はげしい香が....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ーと大きな息をはいてみてくれという。彼がそうすると、委員は変な顔をして、第一号の
口中の臭を、すんすんと嗅いでいた。 それがすむと、食卓に坐らされた。大きな丼に....
「伯爵の釵」より 著者:泉鏡花
たちどころに坊主の虫歯を癒したはさることながら、路々も悪臭さの消えないばかりか、
口中の臭気は、次第に持つ手を伝って、袖にも移りそうに思われる。 紫玉は、樹の下....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
―そこでげす。……いえ、馬鹿でもそのくらいな事は心得ておりますんで。……しかし御
口中ぐらいになさいませんと、これから飛道具を扱います。いえ、第一遠く離れていらっ....
「露肆」より 著者:泉鏡花
げて、殆ど歎願に及ぶ。 「どうぞ、お試し下さい、ねえ、是非一回御試験が仰ぎたい。
口中に熱あり、歯の浮く御仁、歯齦の弛んだお人、お立合の中に、もしや万一です。口の....
「妖怪学」より 著者:井上円了
しむるなり。しかして、その目前におよそ五、六尺を離れて他の一人粛然として端座し、
口中に呪文を黙誦することおよそ五、六分時間にして、両手の棒、次第に動揺するを見る....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
ども、日本人多数を占め、大約七万の日本人ありという。ホノルル港のごときは四万の人
口中、半数は日本人なり。ゆえに、街上を見るに日本服を着たる婦人、列をなして来往す....