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口伝
「口伝〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
口伝の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
そうに思われましたが、どうして、かれもまた今は文字どおり疾風迅雷でした。すぐに裏
口伝いを濠《ほり》に沿って城中へ参向すると、ようやくお目ざめになったばかりの伊豆....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
書というものが多く世に伝えられている。しかも皆まことの伝授でない。まことの伝授は
口伝の数語に過ぎないもので、筆や紙で書き伝えるのではない。 徳州の宋清遠先生は....
「巌流島」より 著者:直木三十五
り、のがれざる期を知る、一流直通という極意あり、此事《このこと》品々《しなじな》
口伝《くでん》なり。 とあるが、伊藤一刀斎の「間」を云ったものである。事のつ....
「梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
」(梅津利彦氏へ) =シンミリした穏かな口調で=「謡は芸当じゃない。心持ちとか
口伝とかいうて加減するのが一番の禁物じゃ。私が教えた通りに真直に謡いなさい。心持....
「八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
いた。 敵をただ打つと思うな身を守れ おのずから洩る賤家の月 仮字書之
口伝第三章「残心」を咏った極意の和歌、――意味は読んで字の如く、じっと一身を守り....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
から、鋳掛屋さん。) (開けますよ。だがね……) と、一つ勿体で、 (こいつあ
口伝だ、見ちゃ不可え、目を瞑っていておくんなさい。) (はい。) (もっと。) ....
「梅若七兵衞」より 著者:三遊亭円朝
かんくらいだという、余程稽古のむずかしいものと見えます。許し物と云って、其の中に
口伝物が数々ございます。以前は名人が多かったものでございます。觀世善九郎という人....
「水の女」より 著者:折口信夫
・淵などと感じるくらいにとどまったのは、無理もないことである。実は、詞章自身が、
口伝えの長い間に、そういう類型式な理会を加えてきていたのである。 一番これに近....
「安吾武者修業」より 著者:坂口安吾
およそこの秘咒に縁のない剣法だ。 この巻物に示されている念流の伝統は、樋口家の
口伝のものとは異っていて、樋口家にとっては
口伝よりも不利である。寛永御前試合に活....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
伝しているのが、源家の末の島津家で、玄白斎は、その秘法を会得している人であった。
口伝《くでん》玄秘《げんぴ》の術として、明らかになっていないが、医術と、祈祷《き....
「落語・教祖列伝」より 著者:坂口安吾
け、というのだ。十兵衛はこの第一課を先ずノートに記入した。 神伝魚心流極意。師
口伝。 初心。 その一。朝ごとにネンボよくこけ。 十兵衛の書き残した
口伝書....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
先生御秘蔵の薬草を混ぜたのが、霧隠れ雲隠れの秘薬とやら」 「それには又それで秘事
口伝が有る。や、今夜拙老の隠宅へ来なさい、何事も残らず打明けて語り聴かそう。それ....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
は反対にクラリスを尾行していたのであった。しかも部下を使ってルパン等に偽手紙と偽
口伝をを残さしたのであった。兇悪奸譎な代議士のためにルパンは不知の境に徘徊させら....
「中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
材を扱ってはいるが、声調は全く万葉的とはいえないのである。そのほか、『後鳥羽院御
口伝』にも、『万葉』は詞がむずかしいから、他人に使われて解し兼ねることのないよう....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
、いわゆる“糧荒”の虞なからしめた事であるそうである。その他に現存している古老が
口伝している柴大将についての挿話には次のような話がある。 【古老の話 その一】 ....