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口元
「口元〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
口元の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
た事は、ほとんど一度もございません。ただ、その度に皮肉な御微笑を、あの癖のある御
口元にちらりと御浮べになりながら、一言二言《ひとことふたこと》鋭い御批判を御漏《....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
、膃肭獣《おっとせい》なんぞが?」
お蓮は牧野にこう云われても、無理にちょいと
口元へ、微笑を見せたばかりだった。が、田宮は手を振りながら、すぐにその答えを引き....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
うに片手に下げたまま、ちらりと彼の顔へ眼をやった、そうしていつになく、人懐しげに
口元へ微笑を浮べて見せた。
彼は例の通り当惑しながら、ちょいと挨拶《あいさつ》....
「デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
、部下の警官を従えて食堂を出て行った。 今まで無言で食事をしていた喬介は、その
口元に軽い微笑を浮べながら初めて口を切った。 「あの人は君の従兄弟と言ったね。ま....
「死の快走船」より 著者:大阪圭吉
り出した。 「では、海の上に、白鮫号は見えませんでしたか?」 すると黒塚氏は、
口元に軽く憫むような笑いを浮べながら、 「なにぶん闇夜で、生憎薄霧さえ出ましたか....
「とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
髪は地味な束髪ですが、ポッテリした丸顔で、皮膚は蝋燭の様に白く透通り、鼻は低いが
口元は小さく、その丸い両の眼玉は素絹を敷いた様に少しボーッとしてはいますが、これ....
「カンカン虫殺人事件」より 著者:大阪圭吉
ている。裸けられた胸部には、丁度心臓の真上の処に、細長い穴がぽっかり開いて、その
口元には、白い肉片がむしり出ていた。 『メスで突き刺したんだね。これが致命傷なん....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
れ、少し仰向いている顔つき。他人が、ちょっと眉を顰める工合を、その細君は小鼻から
口元に皺を寄せる癖がある。……それまでが、そのままで、電車を待草臥れて、雨に侘し....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
のっぺりと、且つしおらしいほど口の小形なのが、あまつさえ、長い指で、ちょっとその
口元を圧えているのは、特に緞子の袴を着した。 盛装した客である。まだお膳も並ば....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
白の、至ってお奇麗な細面、そして少し釣気味のお目元にも、又きりりと引きしまったお
口元にも、殆んど女性らしい優さしみを湛えて居られるのでございます。『成るほどこの....
「眉の記」より 著者:上村松園
であろうと思った。 美人画を描く上でも、いちばんむつかしいのはこの眉であろう。
口元や鼻目、ことに眉となるとすこしでも描きそこなうと、とんだことになるものである....
「ガルスワーシーの家」より 著者:岡本かの子
き度がりなさるところなぞも」 老文豪が此の言葉を言った時にちらりと皮肉な様子を
口元に見せたがすぐその影は消えて再び親切に努める態度に立戻った。 ――それに引き....
「三味線の胴」より 著者:上村松園
絶世の美人というものもあるが、九條武子さんのような人は少ない。目が美しかったり、
口元がきれいだったりする人があるが、この人のような高い品位のある顔立、これはああ....
「狐」より 著者:岡本かの子
たくしの口から申すも憚られますが、鼻筋|凜々しく通り、眼は青みがかった黒い瞳で、
口元の締り方に得も云われぬ愛嬌がございます。(女、鈴懸を指し)とんとこちらを狐に....
「浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
っておることは、今更言をまたないところであります。われわれはかつて凶刃に倒れた浜
口元民政党総裁が、議会の要求に応じて病を押して出席し、遂に倒れて行った態度と対比....