» 口利

「口利〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

口利の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
草迷宮」より 著者:泉鏡花
るで、機織場の姉やが許へ、夜さり、畦道を通う時の高声の唄のような、真似もならぬ大口利いて、果は増長この上なし、袖を引いて、手を廻して、背後から抱きつきおる。 ....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
まわしていたね。そんな時、お前は自分ひとりの力で、「今日ある」をもたらしたような口利いていたが、聴いていて、おれは心外……いや、おかしかった。なにが、お前ひとり....
猿飛佐助」より 著者:織田作之助
ろたえている。落着きなさい、見苦しい。走りながら口を利くからじゃ。だいいち師匠に口利くのに走りながらとは何事じゃ」 「はッ! 失礼しました。――ごらんの通り停ま....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
ていたが、一昨年社長の先妻が死んだ後釜にはいった。むろん浮いた仲ではない。仲人の口利きで、ちゃんとした見合結婚だったが、二十以上も年の違う社長と結婚する気になっ....
義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
んじゃないか。こちとらのような、水呑百姓が大根一本だって、人にくれられるけ。無駄口利かんと、早う帰ったらええわ。 甚作 (見かねて)おっ母。そなな無愛想なことを....
料理一夕話」より 著者:北大路魯山人
があってよいと思われるのに、大概はそうでない。だらしのない望みに夢を見ながら、大口利くふうがある。 昔から言う色気と食い気という問題、色気の方はしばらくおき、....
十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
は八事の隠亡の頭)、小堀家の浪人笹山元次(今は瀬戸の陶器絵師)、屋代家の旧家臣山口利久(今は常滑の瓦焼き)、里見家の旧家臣里見一刀(今は桑名の網元の水夫)、吉田....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
人が関白の命を含んで糾問《きゅうもん》に遣って来た。浅野弥兵衛が頭分で、いずれも口利であり、外交駈引接衝応対の小手《こて》の利いた者共である。然し弥兵衛等も政宗....
老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
言うたらなぜ止めませぬ! どのような御仕置きうけましょうとも、御恩うけた殿様の蔭口利いてはなりませぬ。御手討ちにならぬが倖わせな位じゃ。もう言うてはなりませぬ!....
真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
三「騒々しい、早く彼方《あっち》へ往けよ」 とこれから村方に作右衞門と云う口利《くちきゝ》が有ります、これを頼んで土手の甚藏の処へ掛合いに遣《や》りました....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
たのもまたこの人だ。この桝田屋の二代目惣右衛門は、わが子が得生のすくないくせに、口利口で、人に出過ぎ、ことに宿役人なぞの末に列なるところから、自然と人の敬うにつ....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
の中で、私の記憶に残っている現存者は僅々左の十数氏に過ぎない。(順序不同) 牟田口利彦(旧姓梅津)、野中到、隈本有尚、中江三次、宇佐元緒、松本健次郎、加野宗三郎....
老ハイデルベルヒ」より 著者:太宰治
日東京へ、有難う、有難うと朗らかに言って帰って行きました。宿屋の勘定も佐吉さんの口利きで特別に安くして貰い、私の貧しい懐中からでも十分に支払うことが出来ましたけ....
安重根」より 著者:谷譲次
て来る)こいつ! 貴様が先生に用のあるはずはない。おい、鄭君、こんなやつと真向に口利くことないんだ。抛り出しちまおう。 鄭吉炳 (続いて駈け降りて朴鳳錫を制する....
あらくれ」より 著者:徳田秋声
た自分の家の閾《しきい》を跨《また》ぐ気になるのであったが、この老人や青柳などの口利《くちきき》で、婿が作以外の人に決めらるるまでは、動きやすい心が、動《と》も....