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口利き
「口利き〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
口利きの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「老ハイデルベルヒ」より 著者:太宰治
日東京へ、有難う、有難うと朗らかに言って帰って行きました。宿屋の勘定も佐吉さんの
口利きで特別に安くして貰い、私の貧しい懐中からでも十分に支払うことが出来ましたけ....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
ていたが、一昨年社長の先妻が死んだ後釜にはいった。むろん浮いた仲ではない。仲人の
口利きで、ちゃんとした見合結婚だったが、二十以上も年の違う社長と結婚する気になっ....
「縮図」より 著者:徳田秋声
三カ所渡りあるいたという、二つ年上の女を、田村町から出稽古に来る、常磐津の師匠の
口利きで抱えてみると、見てくれのよさとは反対に、頭がひどい左巻きであったりした。....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
であったのだ、しかもその養子の氷人《なこうど》が、やっぱり天下第一の秀吉の直接の
口利きであっただけに、養子ではあったが、不肖の子ではなかった。永徳を知れば当然、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
れた娘に相違ないから、何が何だかわからない面でいると、子分の者と、団体客のうちの
口利きが、舌なめずりをしながら次の如く申します。 「親分――いったん男に肌を見ら....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
に残っていた方がかっている。 テンコツさん森口嘉造氏はそこら一帯の大屋さんで、
口利きで、対談事、訴訟にもおくれをとらぬ人、故松助演じるところの『梅雨小袖《つゆ....
「鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
説諭の種にもしたいと思い、私どもは松山附近で味酒《みさけ》村というがある、そこの
口利きの或る旧穢多の家へ行った。そうしてどうか士族の出る小学校へ御前方の子弟を出....
「お久美さんと其の周囲」より 著者:宮本百合子
う四十二三に成って居た主人はお関が来るとすぐY町から今居る村に移ったのであった。
口利きが確かだからと云うので理屈なしに嫁入って来たお関は勿論自分の夫がどんな人柄....
「或る男の手記」より 著者:豊島与志雄
た。生活の脅威と重圧とがなかったために、いっまでも決心がつかなかった。河野さんの
口利きで、今の会社の社長秘書といった無為閑散な冗員になり、一方では英語の小説の飜....
「別れの辞」より 著者:豊島与志雄
。なお、「笹本」のお上さんは、清子の病気なんかのため、だいぶ困ったらしく、大西の
口利きで、長尾からいくらか金を借りたというのは、事実らしい。然し清子の態度をそれ....
「失われた半身」より 著者:豊島与志雄
晩考えぬいた揚句、だんぜん方向転換して、先輩に泣きつき、出版社に就職した。先輩の
口利きで、これもやはり学生アルバイトということになり、給料からの源泉課税差引きを....
「祭りの夜」より 著者:豊島与志雄
却って、男のひとは……というわけ。逆に警戒されたのだ。それにも拘らず、彼女たちの
口利きで、裏口がすぐ隣り合わせになってる谷口家の、六畳の室を世話してくれた。母屋....
「生前身後の事」より 著者:中里介山
とは本懐の至りでもあり光栄の至りとでも云わなければならなかったのだ、伊原君は偶然
口利きになったけれども高田がどうして我輩の作物にそれほど興味を持っていたのか分ら....
「魔像」より 著者:林不忘
物である。苦味走《にがみばし》った、白眼《にら》みのきく顔をしていて、番士中でも
口利き役の、指折りの一人だった。宝蔵院流《ほうぞういんりゅう》の槍の名誉……名誉....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
まで合点長屋の藤吉の部屋で同じ釜の飯を食っていた影法師の三吉であった。彼は藤吉の
口利きで今この界隈の朱総《しゅぶさ》を預る相当の顔役になっていたものの、部屋にい....