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口占
「口占〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
口占の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「あらくれ」より 著者:徳田秋声
にくれるなんて言っていましたっけがね、あれはどうする気でしょうね」
お島は嫂の
口占《くちうら》を引いてでも見るように、そう言ってみた。
「へえ、そんな事がある....
「虞美人草」より 著者:夏目漱石
証は出来ん。宗近の言は真率《しんそつ》なる彼の、裏表の見界《みさかい》なく、母の
口占《くちうら》を一図《いちず》にそれと信じたる反響か。平生《へいぜい》のかれこ....
「坑夫」より 著者:夏目漱石
と》のように述べている。 要するにこのかみさんも是非坑夫になれと云わぬばかりの
口占《くちうら》で、全然どてらと同意見を持っているように思われた。無論それでよろ....
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
の犬が斯うは狃染《なじ》みません」余は口軽く「ナニ甚蔵に敵などある者か」と云いて
口占《くちうら》を引くに、婆「でも此の家へ来る者は皆敵だから誰も入れては可けぬと....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
度《いくたび》、それでも早や、滝壺に近いところまで来ていました。檜笠作りの六助の
口占《くちうら》を引いて、よく聞いておいたこと――懺悔する前には、水垢離の必要が....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
がございましても、わしの罪ではございません」 「それはわかっている、なにも貴様の
口占《くちうら》を引いて、罪に落そうなんぞというのじゃない、ただ、そういう唄を聞....
「必要以上のもの」より 著者:豊島与志雄
なり夢中になっていた。料理屋の女中をつかまえて、今一番ほしいものは何だい、などと
口占をひいてみたり、こちらのことを反問されると、即座に得意げに、石だと、それが宛....
「雪の宿り」より 著者:神西清
上って以来のことであるぐらいの経歴なら、とうの昔に知り抜いている。…… 主人の
口占から、あらまし以上のような推察がついた今となっては、客も無下に情を強くしてい....
「鼠」より 著者:岡本綺堂
をこしらえまして……。わたくしはまた何という大胆な女でございましょう。旦那さまの
口占を引きながら、いい加減の嘘八百をならべ立てて、表に遊んでいるところを見識らな....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
が、平の社員は受渡しの済んだ当日になっても知らなかった。中には薄々感づいて沼南の
口占を引いて見たものもあったが、その日になっても何とも沙汰がないので、一日社務に....