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口取り
「口取り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
口取りの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
の将軍の御召馬が役人の付き添いで馬籠に着いた。この御召馬には一頭につき三人ずつの
口取り別当が付いて来た。 「半蔵さん。」 と言って伊之助が半蔵の袖を引いたのは....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
毛の馬が見える。総督へ献上の駒とあって、伝吉、彦助と名乗る両名の厩仲間のものがお
口取りに選ばれ、福島からお供を仰せつけられて来たとのこと。試みに吉左衛門はその駒....
「不尽の高根」より 著者:小島烏水
「天地のわかれし時ゆ、神さびて」と歌った山辺赤人は旅人であった。太刀持つ童、馬の
口取り、仕丁どもを召連れ、馬上|袖をからんで「時知らぬ山は富士の根」と詠じた情熱....
「旅へ出て」より 著者:宮本百合子
す東北の此の小村に住む男達の中で私に一番強い印象をあたえたたった一人の男だった。
口取りと酢のもの 今日始めて私はいかにもこの上ないほど不味不味しいそして妙な膳....
「樋口一葉」より 著者:長谷川時雨
人の病を慰めるためにと、乏しい中から下谷の伊予紋《いよもん》(料理店)へよって、
口取りをあつらえたり、本郷の藤村へ立寄って蒸《むし》菓子を買いととのえたりして訪....
「武蔵野」より 著者:山田美妙
親の話でも大抵わかるが、忍藻にはすなわち夫だ。 この三郎の父親は新田義貞の馬の
口取りで藤島の合戦の時主君とともに戦死をしてしまい、跡にはその時|二歳になる孤子....
「魔像」より 著者:林不忘
。なるほど箱の中には高脚《たかあし》つきの膳が入っていて、膳の上に吸物、さしみ、
口取り、その他種々の材料をはじめ庖丁|俎板《まないた》まで仕込んである。花月《か....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
へ這入って、皆にお飲ませになります。お父様は一猪口くらいしか召上らないので、私が
口取りを食べている傍で、皆の様子を機嫌よく見ていられます。車夫もその日は優待です....
「穀神としての牛に関する民俗」より 著者:中山太郎
墨書し、裃を着し赤青紙張りの笠を破り、手に長い竹弓と蕪矢《かぶらや》を持つ。牛の
口取りは持主で焙烙《ほうろく》を被るが式は社頭と当宿で祝言を述べるだけである。大....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ささかの不平も昂奮もしていない。 「玄蕃。羅刹谷の下を行け。七条を廻って帰ろう」
口取りの民谷玄蕃に、彼は急に、道をかえさせていた。 この辺。 昼ほととぎすの....
「茶漬三略」より 著者:吉川英治
るえていた。 「おねがいです。てまえに、槍一本お与え下さい。――さなくば、お馬の
口取りになと、お召抱えください」 「随身したいか」 「出世を望みませぬ」 「何を....