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口口
「口口〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
口口の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「仮装人物」より 著者:徳田秋声
った。 名物の蜆汁だの看板の芋の煮ころがしに、刺身鳥わさなどで、酒も二猪口三猪
口口にしたが、佞媚な言葉のうちに、やり場のない怨恨を含んで、飲みつけもしない酒の....
「旅愁」より 著者:横光利一
だった。何か一口いえば、火の発するものを無数に抱いている今の青年の間だと思うと、
口口に云いたいことを圧え黙りつづける工夫も、これで並みたいていのことではないと矢....
「夜の靴」より 著者:横光利一
した実行組合長の兵衛門に対い、集中して来た。参右衛門の家の炉端に集った貧農組も、
口口に彼に悪態をついている。清江の実家の攻撃されているこの苦境を切り抜けようとす....
「変災序記」より 著者:田中貢太郎
がして、そこにじっとしていられないので、シナ人の下宿の前へと往った。三四人の者が
口口に何か叫びながら潰れた家の取付きの所で騒いでいた。何事であろうかと思ってその....
「トロッコ」より 著者:芥川竜之介
ったせいか、近所の女衆も三四人、薄暗い門口へ集って来た。父母は勿論その人たちは、
口口に彼の泣く訣を尋ねた。しかし彼は何と云われても泣き立てるより外に仕方がなかっ....
「大きな蝙蝠傘」より 著者:竹久夢二
子は、面白く節をつけて歌って見せた。 「そうよ、そうよ」 「きっとそうだわ」 と
口口に言うのでした。 この時、幹子は静かに気にもかけないような風で振返りながら....
「二十六夜」より 著者:宮沢賢治
》いお子さんでも災難というものは仕方ありません。」 林中の女のふくろうがまるで
口口に答えました。その音は二町ばかり西の方の大きな藁屋根《わらやね》の中に捕《と....
「夢幻泡影」より 著者:外村繁
いに走って行きましたか」 「よいとまけみたいな、襦袢《じゅばん》着ていましたか」
口口に言っては、わっという笑声だった。 いかにも最早壺中数片の骨に過ぎないでは....