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口喧し
「口喧し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
口喧しの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「駈落」より 著者:佐左木俊郎
った。今まで爺さんからなど、一度だって、ほめられたことなどはなかったではないか?
口喧しい爺さんから、何かにつけては怒鳴られてばかりいる菊枝ではなかったか? 春吉....
「世相」より 著者:織田作之助
では、大将は石部金吉だす。酒も煙草も余りやらぬという。併し、若い者の情事には存外
口喧しくなく、玄人女に迷って悩んでいる板場人が居れば、それほど惚れているのだった....
「黴」より 著者:徳田秋声
らどうだ。」 「そんなことが出来るもんですか。あすこのお婆さんと来たら、それこそ
口喧しいんですから。」 お銀は三人の子供を、それぞれ医師に仕揚げたその老人の噂....
「競馬」より 著者:犬田卯
が五百円もすってしまって家へかえれない! さぞかし彼の家にも、自分の女房のような
口喧しい細君が、神経を尖らして待っているのであろう。 紳士は五円を受取ると丁寧....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
ん中に――エセックス等々、ラレイ等々の活力や、廷臣たちの右往左往や、エリザベスの
口喧しい激情発作や、そうしたなかに、ただ一人黙々とすわっているのだった。鋭い観察....
「澪標」より 著者:外村繁
まうと、私は私附きの女中の春枝に絵本を読んでもらうか、一人で庭に出て遊んだ。私は
口喧しい母の側をあまり好まなかったようである。 庭には梅、桜、桃、椿、山吹、夏....
「天才」より 著者:神西清
る。明日は引っ越しだから荷馬車を探しに出て行った。今年二十になる娘のカーチャは、
口喧しいお母さんの留守を利用して、もうだいぶ長いこと青年の部屋に坐りこんでいる。....
「俗臭」より 著者:織田作之助
、このたびのパアマネントウェーブは彼女の醜貌を決定的にしてしまったと周囲の人々は
口喧しく騒いだ。 「娘ももう年頃になったことやさかい、私も今までとは交際いが違て....