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口小言
「口小言〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
口小言の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春の夜」より 著者:芥川竜之介
は離れへ来る度に(清太郎は離れに床《とこ》に就《つ》いていた。)いつもつけつけと
口小言《くちこごと》を言った。が、二十一になる清太郎は滅多《めった》に口答えもし....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
濁って、皺《しわ》をよせて、気むずかしいユダヤの老爺《ろうや》のように、ぶつぶつ
口小言を言う水の色が、いかにも落ついた、人なつかしい、手ざわりのいい感じを持って....
「或る女」より 著者:有島武郎
ただこうと思ったところであった……いったいどこを……」
面と向かっては、葉子に
口小言《くちこごと》一ついいきらぬ器量なしの叔父が、場所もおりもあろうにこんな場....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
の代りに表の戸を力まかせに続けて叩いた。 「ええ、そうぞうしい和郎《わろ》じゃ」
口小言《くちこごと》をいいながら婆は起きて来て、明るい月のまえに寝ぼけた顔を突き....
「忠直卿行状記」より 著者:菊池寛
と見える。かほどの不覚人とは思わなかったに」と囁いた。 家老は、なおブツブツと
口小言をいいながら、小姓を呼んで、そのことを渋々ながら忠直卿の耳に伝えしめた。 ....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ょうも逃げるように此処を立ち去ってしまった。 「ほんとうにしようのない人だねえ」
口小言を云いながら女は内へ引っ込んだ。そのうしろ姿の消えるのを見送って、半七はも....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
、娘は先に帰っているものと思って、格子をあけてはいると内は昼でも真っ暗であった。
口小言を云いながら窓をあけると、まず眼にはいったものは娘の浅ましい亡骸で、おちか....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
ど、それやだれでもだから仕方がないさ。来年はだれにも負けなくなるさ」 兄夫婦は
口小言を言いつつ、手足は少しも休めない。仕事の習い始めは随分つらいもんだという察....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
、気圧の変調からでもあろうか、妙に人肌めいた生暖かさで、時折|微かに電光が瞬き、
口小言のような雷鳴が鈍く懶気に轟いてくる。そういう暗澹たる空模様の中で、黒死館の....
「夢がたり」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
ためでした。道々アントンは、『ドオドてばよお、ええ、このよぼよぼのやせ馬め!』と
口小言をいうのでしたが、栗毛はその返事にただもぐもぐと口を動かすだけでした。 ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
くぞ、早々引取りませい、とお捌きあり。 あっちでもこっちでもぶつぶつがらがら、
口小言やら格子の音。靴の響が遠ざかって、この横町は静になったが、嘉吉が家ではなお....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
てきてくれた。おかみさんは鍋を火鉢にかけながら、兎の価が高いというてうるさいほど
口小言をいう、こちらはそんなことはかまわない。塩引鱒や筋の多い牛の「やまと煮」よ....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
て……。」 「さあ、さあ、寝た振なんぞ為ねえで、起きろ、起きろ、横着な阿魔だ。」
口小言を云いながら、七兵衛は進んでお葉を抱え起そうとすると、彼女は其手を跳ね退け....
「世間師」より 著者:小栗風葉
じゃねえか。おい、そんなにハンダを使っちゃしょうがねえ、もっと薄く、薄く……」と
口小言を言いながら、為事の方に向いてしまう。 すると、ある日の事だった。ハンダ....
「梟の眼」より 著者:大倉燁子
が鳴って、食事を知らせた。デザートのフォークを置くともう音楽が始った。忙しい、と
口小言を云いながらも、皆愉快そうに、ナフキンをテーブルの上に投げ捨てて、ホールへ....