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口当り
「口当り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
口当りの前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
ではあるまいと、専らこれにきめ、その晩も二人で二本あけてしまった。 安いのと、
口当りがいいので、ガブガブやったのが、いけなかったのだ。ほかのウイスキーではそん....
「真景累ヶ淵」より 著者:三遊亭円朝
いゝ、丁度|流山《ながれやま》ので甘いからお飲《あが》りでないかと云われて、つい
口当りがいゝから飲過ぎて、大層酔って間《ま》がわるいから、店へ知れては困りますが....
「創作家の態度」より 著者:夏目漱石
と、違っています。店で試しに口へ当てて見るのは、この酒はどんな質《たち》で、どう
口当りがして、売ればいくらくらいの相場で、舌触りがぴりりとして、後《あと》が淡泊....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
たたび梅酒の御馳走になりました。アルコールがはいっていないのですから、わたしには
口当りがたいそう好いのです。少々ばかりのお茶代を差し置いてここを出る頃には、霧も....
「道標」より 著者:宮本百合子
気持よさそうに温い顔色になって、
「ウォツカもこうしてレモンを入れると、なかなか
口当りがいい」
のこりの半分も遂にあけた。
「ブラボー! ブラボー!」
ポリ....
「斬られたさに」より 著者:夢野久作
島田の娘が、銚子を捧げて這入って来た。 「……入らせられませ。あの土地の品で、お
口当りが如何と存じますが……お一つ……」 平馬は腕を組んだまま眼をパチパチさせ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ていると、五十嵐は、 「女によっては、あんなのを好くのがあるのか知らん、どこかに
口当りのいいところがあるのだろう」 「当人の自慢するところによると、あの片一方の....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
のと見える。ぽっとり者の方でも、この高山の土臭いのや、郡代官のギコチないのより、
口当りだけでも、きっぷのいい江戸ッ子気取りの兄さんを用いてみたい心意気があったも....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を持っている上に、見る通り獰猛《どうもう》な奴で、他の魚類を手あたり――ではない
口当り次第に食い荒すのだ。この通り鋭い歯で、単に食い荒すだけならいいが、こいつが....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
した。 なぜか、お雪ちゃんはこの歌が好きです。それは歌の心が好きなのではなく、
口当りがいいから、それで思わず繰返されるのかも知れない。そうでなければ、相聞《そ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
強くても酒は酒に相違ない。毒物でないということは、主膳の経験に於ても、強いながら
口当りにもわかるものですから、二口目はやや注意して、そろりそろりと飲みました。 ....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
した。またロージル村に夥しく鼠生じて、穀物、牛乳、牛酪《バター》、乾酪《チーズ》
口当り次第平らげたので、住民途方に暮れ猫を多く育てたが、猫一疋に鼠二十疋という多....
「乾杯」より 著者:豊島与志雄
かがあったのでありましょう。 そうした彼女の痣から、山川正太郎は眼をそらして、
口当りは柔かだが強烈な柿酒をあおりました。彼女はただ静かに控えていました。沈黙は....
「茶碗蒸し」より 著者:北大路魯山人
持つと、ユラユラと卵が体ごとゆする程度につくるのがよい。そうすると、スルスルして
口当りがよく、しかも、卵臭くなくてよいのである。 京都風の茶碗蒸しが、ちょうど....