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「口授〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

口授の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
することになった。筋は無論、翁から割当てられたもので、自分たち二人はほとんどその口授のままを補綴したに過ぎなかった。劇場は後の宮戸座であった。 それが三月の舞....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
ら師伝と偽り奇怪の説など申し立て候儀、一切仕るまじき事。 御流儀においては、秘伝口授など申す儀、かつてこれなき段、堅く相守り、さようの事申し立て候儀これあるまじ....
寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
」などという名称が耳新しく感じられたのであった。英国の小説を福地桜痴居士が円朝に口授し、それに拠って円朝が翻案したもので、外国種だけに明治時代の話になっている。....
マーカス・ショーとレビュー式教育」より 著者:寺田寅彦
られなくはない。 中学校でS先生から生物学の初歩を教わったときの話である。主に口授を筆記するのであったが、たまたま何かの教材の参考資料として、英国製で綺麗な彩....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
年間の長きにわたって喜寿に近づき、殊に最後の数年間は眼疾を憂い、終に全く失明して口授代筆せしめて完了した苦辛惨憺を思えば構想文字に多少の倦怠のあるは止むを得なか....
子規居士と余」より 著者:高浜虚子
あった。そうしてこの床の中に這入ってからの小説執筆が遂に余の役目になって、居士の口授を余は睡魔を抑えつつ筆記しなければならぬ事になった。余は一方ならず此の筆記に....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
からは書生の雑用が閑になったからといって、殊にシゲシゲと遊びに来た。写字をしたり口授を筆記したりして私の仕事の手伝いをしていた。面胞だらけの小汚ない醜男で、口は....
火夫」より 著者:カフカフランツ
。そうでないときには、ほとんどたえず歯で小さい音を立てているほうの役人が、同僚に口授して何か調書に書き取らせている。 窓ぎわの書きもの机には、背中をドアのほう....
」より 著者:カフカフランツ
がいるとしても、いったいあの人が文句なんかいってこぼすでしょうか。私は村長さんの口授であなたがたの話合いに関してちょっとした調書をつくっただけですが、それによっ....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
、私の待望するものは、ただ御命令を接受せんことのみでございます」彼女はその返答を口授した使者を送った。「伯爵に伝えよ、朕が自らを高価と見做すこと、卿自身を評価す....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
の式なし。ただ、隣寺の僧侶もしくは友人にて、すでに僧侶となりしもの来たりて言句を口授するのみ。 ヤソ誕生日すなわちクリスマスは、西洋諸国の大祝日なり。なお、わ....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
の刻から七月二十五日巳の刻まで四十日余で成就した。『古今集』全部の註釈を常縁自ら口授し、宗祇が筆録したので、これが有名な『古今集両度聞書』である。そのほかに特別....
人間性の深奥に立って」より 著者:小川未明
身書を一瞥してもすぐ分ることであるが、その並べられた題目と、其れに関する概念的な口授式の教授ぶりとが、ほんとうの人間性の結晶と思っては大間違である。今日の習慣な....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
彼は「彼の悲しい運命に同情の手を与えたけだかい心の英国人たち」に宛てて感謝の念を口授して手紙を出すことを望んだ。彼はその人々に第十交響曲と一つの序曲を、それとも....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:片山敏彦
めである。 (ゲーリングに) ※ 「霊」が私に語りかけて、それが私に口授しているときに、愚にもつかぬヴァイオリンのことを私が考えるなぞと君は思ってい....