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口添え
「口添え〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
口添えの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
け取らなかった。その代りにお前の宿へ案内して、ほかの人たちの仕事を頼まれるように
口添えをしてくれと相談すると、小源二はこころよく受け合った。 「では、一緒に来や....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
か変でございますから、まことに御無理を願って相済みませんが、どうかお師匠さんのお
口添えを願いたいと存じまして……」 「ああ、そうですか」 文字春も少しかんがえ....
「親子」より 著者:有島武郎
、ずっとお寄りなさって。今日は晴れているためかめっきり冷えますから」 と早田が
口添えするにもかかわらず、彼らはあてこすりのように暗い隅っこを離れなかった。彼は....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
おうという電話だったのである。 それから一郎は、支配人の室に行った。ジュリアの
口添えがあったから、すべて好条件で話が纏った。今日は見習かたがた「赤い苺の実」の....
「幽霊妻」より 著者:大阪圭吉
方の下男にお引き立てくださったのも、後で女中から聞いたことですが、みんな奥様のお
口添えがあったからでして、なんでも、旦那様はどちらかというと、口|喧しいお方でし....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
さん。お察しください」 四十男の治兵衛が涙をうかべて頼むのである。殊に幸次郎の
口添えもある以上、半七も断わるわけにも行かなくなった。 「まあ、ようござんす。出....
「わが町」より 著者:織田作之助
、今では理髪店用の化粧品のブローカーをしているということだった。 「柳吉つぁんの
口添えだんねん」 と、得意そうに種吉は君枝に語った。柳吉の実家は理髪用化粧品の....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
から。お前さんの出ようさえ気に入ったら妾の方から助けてもあげよう。そうさお殿様へ
口添えして、上ることの出来るようにしてあげよう。だが只じゃあ真平だよ。物事には報....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
くも彼が嫌疑を受けて、一週間警察に止め置かれたのだった。 「一週間目に支倉が来て
口添えをして呉れたので、やっと放免せられました。実に馬鹿々々しい目に遭ったもので....
「曽我の暴れん坊」より 著者:坂口安吾
王の二子(後の十郎五郎)は敵の大将の孫というので頼朝に殺されるところを畠山重忠の
口添えで辛くも命を助けてもらった。祐経を父の仇と剣の稽古に励んでいるなぞと人の口....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
二は長平係りの記者で、上京中の日程をくみ、雑用をたすのである。 しかし、長平の
口添えで、姪の記代子が入社してからは、上京中の長平のうしろに、男女二名のカバン持....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
通っているようだ。正司は彼が云うように一軒ずつ菓子屋を廻って歩いて、玉屋の主人の
口添えもあって、就職することができた。しかし子飼いからの店ではないから、居づらい....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
しまうのだ」というのである。女王さまだって、フランシスとあべこべの精神の持主のお
口添えでは、いきおいフランシスの値打ちを低く見ておしまいになるのだとも未亡人は考....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
すから、私は煩悶を重ねておりましたのです」 そこへ吉兵衛さんの妻君の弘子さんが
口添えをした。 「賀川さん、あなたご存知でしょう、松島さんを、あの口の悪い遊廓の....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
虫がぐっと込みあげて来ましたね。だがでがす。まあそうしたもんじゃねえ。町長さんの
口添えもあり、これも本斗のためだとひとまず胸をさすって、そこは潔く引受けたのでが....