口笛[語句情報] »
口笛
「口笛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
口笛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「尾生の信」より 著者:芥川竜之介
に照らされながら、悠々と風に吹かれて行く。が、女は未だに来ない。
尾生はそっと
口笛を鳴しながら、気軽く橋の下の洲《す》を見渡した。
橋の下の黄泥《こうでい》....
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
いかけるように、険のある声で、
「じゃ、わたしたちもひき上げましょう。次郎さん、
口笛を吹いてちょうだい。」と言った。
次郎は、あらゆる表情が、凝り固まったよう....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
おれ》は、葛城山《かつらぎやま》の足一《あしひと》つの神だ。」と言って、一声高く
口笛を鳴らしますと、森の奥から一匹の白犬が、落葉を蹴立てて駈《か》けて来ました。....
「影」より 著者:芥川竜之介
なり、ちょいと両肩を聳《そび》やかせた。が、すぐまた気にも止めないように、軽快な
口笛を鳴らしながら、停車場《ていしゃば》前の宿屋の方へ、太い籐の杖を引きずって行....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
で来たんだ。」
「じゃちょっと待ってくれ。そこに雑誌が四五冊あるから。」
彼は
口笛を吹きながら、早速《さっそく》洋服に着換え出した。僕は彼に背《せ》を向けたま....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
now ですな。」
そう答えた店員は、上り框《がまち》にしゃがんだまま、あとは
口笛を鳴らし始めた。
その間に洋一は、そこにあった頼信紙へ、せっせと万年筆を動....
「出帆」より 著者:芥川竜之介
ている。時々、久米が、大きな声を出して、「成瀬《なるせ》」と呼ぶ。ジョオンズが、
口笛をふく。君の弟が、ステッキをふりまわして「兄さん万歳」を連叫《れんきょう》す....
「海のほとり」より 著者:芥川竜之介
「うん、引き上げるのも悪くはないな。」
それからMは気軽そうにティッペラリイの
口笛を吹きはじめた。
(大正十四年八月七日)....
「保吉の手帳から」より 著者:芥川竜之介
頭の禿《は》げたタウンゼンド氏のほかに誰もいない。しかもこの老教師は退屈まぎれに
口笛《くちぶえ》を吹き吹き、一人ダンスを試みている。保吉はちょいと苦笑したまま、....
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
衛門が眼をさますと、吹き込んだ雪が足から腰にかけて薄《うっす》ら積っていた。鋭い
口笛のようなうなりを立てて吹きまく風は、小屋をめきりめきりとゆすぶり立てた。風が....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
った。子供のような快活な無邪気な一本気な心‥‥君のくちびるからは知らず知らず軽い
口笛が漏れて、君の手はおどるように調子を取って、紙の上を走ったり、山の大きさや角....
「犬」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
られ、犬仲間との交を恋しく思って、時々町に出ると、子供達が石を投げつける。大人も
口笛を吹いたり何かして、外の犬を嗾ける。そこでこわごわあちこち歩いた末に、往来の....
「ひこうかばん」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
、町の少年たちは、往来にあつまって、ばんざいをさけんだり、指をくちびるにあてて、
口笛をふいたりしました。なにしろ、すばらしいけいきでした。 「そうだ。おれもお礼....
「墓」より 著者:秋田滋
う思い切ったことをやりそうな眼つきをした男である。 傍聴席にはまたしても嘲罵の
口笛が起った。 けれども、彼は、動ずる色もなく、心もち含み声で語りだした。始め....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
話がこの木に伝わっているからでもあった。 イカバッドはこの恐ろしい木に近づくと
口笛を吹きはじめた。だれかが自分の
口笛に答えたような気がした。だが、それは一陣の....