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口約
「口約〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
口約の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
それならまっすぐに本署へ行かなければだめだ、駐在所などではいい加減なことを言って
口約束だけはしても、埒《らち》があかない、やはり一番いいのはじかに署長のところへ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
のめかし方は、まずうれしい待ち人でもあるといった寸法だ、今夜きっと会いましょうと
口約束した待ち人がな。しかも、その待ち人は女だろう! 違うか! どうだ!」 「…....
「老中の眼鏡」より 著者:佐々木味津三
せぬ。京都との御約束は何と召さるので厶ります」 「あれか。約束と申すは攘夷実行の
口約か」 「はっ。恐れ乍ら和宮様御降嫁と引替えに、十年を出ずして必ず共に攘夷実行....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
事は青山小竹両家が神葬改典の当時に、半蔵や初代伊之助と松雲和尚との間にかわされた
口約束による。勝重もほとんど不眠の一夜を師匠の霊前に送ったあとなので、懇意な伏見....
「蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
引渡すからと云うと、其男が約を果せるらしい勇士だと、ウン好かろうというので、其の
口約束に従ってコマを廻して呉れる。ひどい事だ。自分の土蔵でも無いものを、分捕《ぶ....
「超人間X号」より 著者:海野十三
思いきって手術をしてあげよう。それまではおとなしくして待ちなさい」 これだけの
口約束《くちやくそく》が、山形警部をたいへん喜ばせた。彼はもとのからだに戻る希望....
「火薬船」より 著者:海野十三
しきりにセメントを買いあつめているというが、それは本当か」 「本当ですとも。まだ
口約束だけのことですが、私の部下のしらべてきたところによると、こんなに有ります。....
「青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
生活の基礎が必要でしょう。前途の不安がないだけの生活の保証をつけてあげなくては。
口約束じゃアダメ。はっきり現物で示して下さらなくては」 「それは無理ムタイという....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
巻が学校を中退して故郷へひッこむということを知り、学校を卒業したら結婚するという
口約の実行をせまるために彼の姿を探していたのであるが、すでに男に裏切られたことは....
「塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
りませんか」 太「約束になって居りやすが、未だ結納を取交した訳でもなく、唯ほんの
口約束だけの事で、婚礼をした訳ではがんせんから、どういう事があっても間男と云う訳....
「米国巡回文庫起源及び発達」より 著者:佐野友三郎
一名とを置くの仕組なり。 五、同州中にて、無料巡回文庫の貸付を受くる某郡は、人
口約二万五千を有すれども、多くは三四百の小部落に散在す。郡中「メノモニー」と称す....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
、お前も俺の胸の内は察してくれるだろう」 「ええ、そりゃもうね」 「せめて何か、
口約束でもした中と言うならだが、元々そんなことのあったわけじゃなし、それにお前の....
「特殊部落の人口増殖」より 著者:喜田貞吉
にしか当っていなかったのであるが、現在の内地人約五千七百二十万人と、同じ部落の人
口約一万六千人との比は、十万人に対して二十八人の多数に達しているのである。すなわ....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
明治維新後急激に繁殖して、明治三年末に約三千三百万と云われたものが、今では内地人
口約六千万にもなり、五十七八年間に八割強を増した程の増加率を有する我が日本民族も....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
しかも多少の同情を引くように打ちあけ、結局上陸したら彼女たちの家へ泊めてもらえる
口約束を得たのである。ほっとした私は、初めて足をゆっくり伸ばし、ぐっすりと寝込ん....