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「口約束〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

口約束の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
外套」より 著者:ゴーゴリニコライ
それならまっすぐに本署へ行かなければだめだ、駐在所などではいい加減なことを言って口約束だけはしても、埒《らち》があかない、やはり一番いいのはじかに署長のところへ....
右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
のめかし方は、まずうれしい待ち人でもあるといった寸法だ、今夜きっと会いましょうと口約束した待ち人がな。しかも、その待ち人は女だろう! 違うか! どうだ!」 「…....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
事は青山小竹両家が神葬改典の当時に、半蔵や初代伊之助と松雲和尚との間にかわされた口約束による。勝重もほとんど不眠の一夜を師匠の霊前に送ったあとなので、懇意な伏見....
田舎教師」より 著者:田山花袋
中にはいって寝てからであった。学校を出るまではお互いに結婚はしないが、親と親との口約束はもうすんだということを郁治は話した。 「それはおめでたい」 と清三がま....
ズラかった信吉」より 著者:宮本百合子
の養育費をその子が十八歳になるまで要求する権利を与えています。然し、それはただの口約束では駄目なんですよ。裁判できめなければ駄目です。――知らなかったんですか?....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
引渡すからと云うと、其男が約を果せるらしい勇士だと、ウン好かろうというので、其の口約束に従ってコマを廻して呉れる。ひどい事だ。自分の土蔵でも無いものを、分捕《ぶ....
超人間X号」より 著者:海野十三
思いきって手術をしてあげよう。それまではおとなしくして待ちなさい」 これだけの口約束《くちやくそく》が、山形警部をたいへん喜ばせた。彼はもとのからだに戻る希望....
火薬船」より 著者:海野十三
しきりにセメントを買いあつめているというが、それは本当か」 「本当ですとも。まだ口約束だけのことですが、私の部下のしらべてきたところによると、こんなに有ります。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
いたことに、我ながら苦笑いをしました。 そのうちの最初として、今晩たずねて来る口約束になっていた、あの名取川の蛇籠作《じゃかごづく》りの変な老爺《おやじ》――....
丹下左膳」より 著者:林不忘
なんだ節は、お四人様《よったりさま》のお身分をおあかしくださると、あれほどかたい口約束ではござりませなんだか」 作爺さんの枯れ木のような顔に、さっと血の色がの....
獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
教養などの底をどしどし抜かれていると思います。そういう一応のもののよりどころない口約束みたような本質、一定の条件の限りでの礼儀《エティケット》のようなものが、皆....
青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
生活の基礎が必要でしょう。前途の不安がないだけの生活の保証をつけてあげなくては。口約束じゃアダメ。はっきり現物で示して下さらなくては」 「それは無理ムタイという....
塩原多助一代記」より 著者:三遊亭円朝
りませんか」 太「約束になって居りやすが、未だ結納を取交した訳でもなく、唯ほんの口約束だけの事で、婚礼をした訳ではがんせんから、どういう事があっても間男と云う訳....
深川女房」より 著者:小栗風葉
、お前も俺の胸の内は察してくれるだろう」 「ええ、そりゃもうね」 「せめて何か、口約束でもした中と言うならだが、元々そんなことのあったわけじゃなし、それにお前の....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
しかも多少の同情を引くように打ちあけ、結局上陸したら彼女たちの家へ泊めてもらえる口約束を得たのである。ほっとした私は、初めて足をゆっくり伸ばし、ぐっすりと寝込ん....