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「口絵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

口絵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
ル》に飾られていたのに相違あるまい。最後にその茶箪笥の上の壁には、いずれも雑誌の口絵らしいのが、ピンで三四枚とめてある。一番まん中なのは、鏑木清方《かぶらぎきよ....
早春」より 著者:芥川竜之介
勤めている。三重子もとうに結婚したらしい。小説家堀川保吉はある婦人雑誌の新年号の口絵に偶然三重子を発見した。三重子はその写真の中に大きいピアノを後ろにしながら、....
婦系図」より 著者:泉鏡花
んとうに厭よ。貴下浮気なんぞしちゃ、もう、沢山だわ。」 「まるでこりゃ、人情本の口絵のようだ。何です、対向った、この体裁は。」 三十六 しめやか....
雛妓」より 著者:岡本かの子
世間に自分と同名な名流歌人がいることをお座敷でも聴かされたことがあったし、雑誌の口絵で見たことがあると言った。 「一度お目にかかり度いと思ってたのに、お目にかか....
三浦老人昔話」より 著者:岡本綺堂
て、幾日かゝったのか知りませんが、兎も角もその年の暮までに梅暦四編十二冊、しかも口絵から插絵まで残らず綺麗に写しあげてしまったそうです。今のお近さんの宝というの....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
かった。 「ところが、内容はモリエルの『タルチュフ』なんだよ。見給え、ドーミエの口絵で、あの悪党坊主が嗤っているじゃないか」 「あッ、鍵がある!」その時熊城が頓....
春昼」より 著者:泉鏡花
をあげると、ゆるくキリキリと鳴ったのである。 唯それだけを見て過ぎた。女今川の口絵でなければ、近頃は余り見掛けない。可懐しい姿、些と立佇ってという気もしたけれ....
獄中記」より 著者:大杉栄
それを見せたこともあった。また、これは自分が画いた女と子供の絵だと言って、雑誌の口絵にでもありそうな彩色した絵を見せたこともあった。どうしても何かの口絵をすき写....
大脳手術」より 著者:海野十三
君という莫迦者は愚かにも純粋の生命と魂を捧げているんだ。いわば珠子さんは、雑誌の口絵にある印刷した美人画みたいなものだぜ。そういうものに熱中する君は、よほどの阿....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
と、玉なす桔梗、黒髪の女郎花の、簾で抱合う、道行姿の極彩色。 「永洗ですね、この口絵の綺麗だこと。」 「ええ、絵も評判でございます。……中坂の、そのお娘ごもおっ....
縁結び」より 著者:泉鏡花
死んだ阿母が大事にしていた、絵も、歌の文字も、対の歌留多が別にあってね、極彩色の口絵の八九枚入った、綺麗な本の小倉百人一首というのが一冊あった。 その中のね、....
方子と末起」より 著者:小栗虫太郎
た。 それは、母が生前見ていた婦人雑誌を、末起がなに気なくひろげたときだった。口絵には、数頁にわたって髷型の写真があり、なかに、いちばん母にうつった毛巻の丸髷....
神経」より 著者:織田作之助
で眼を覚した。ふと傍を見ると、妓はまだ眠れぬらしく、飴をしゃぶりながら婦人雑誌の口絵を見ていた。 「君は飴が好きだね」 「好きどっせ。こんどお出やす時、飴持って....
雷同性に富む現代女流画家」より 著者:上村松園
ていてこそ本当に制作というものが聞かずして会得出来るものと思います。低級な雑誌の口絵を模写したり、人の足跡を追っているようでは寧ろ初めから出直したがいいと思いま....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
ここで恥を云うが――(崇拝をしているから、先生と言う。)紅葉先生の作|新色懺悔の口絵に、墓参の婦人を、背後の墓に外套の肱をついて凭掛って、熟と視ている人物がある....