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「口臭〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

口臭の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
光の中に」より 著者:金史良
対してはもはや温順しくなったが、しかし一緒に寝るのは私にはひどい苦痛だった。彼の口臭も我慢ならない程臭いけれど、何より一晩中股ぐらをごしごしかいて明かすのである....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
るを推測され得るを以て、特に項を改めて記述すべし。 【七】 呉一郎の悪夢、口臭、その他が表わす夢中遊行症の特徴 呉一郎が悪夢を見たりという事実と、覚醒....
大阪を歩く」より 著者:直木三十五
食べた。私の子供時分の芝居に於て、就中、旧文楽座に於て――そして、昆布をしがんだ口臭は、決してシックなものではない。何うもキッス以前の匂いだ。キネマで、チューイ....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
顔の方を動かす。 次は食堂であるが、はあーと息をはかせたのは、日本人と中国人の口臭がちがうというのであった。 食堂に入って、蕎麦を食べさせたが、中国人と日本....
連環記」より 著者:幸田露伴
兼ねるほどの厭わしい、それこそ真にあさましい香であったろう。死に近づいている人の口臭は他の何物にも比べ難い希有の香のするもので、俗に仏様くさいと云って怖れ忌むも....
囚われ人」より 著者:豊島与志雄
煙吉――正夫君、君はずいぶん煙草が好きなようだが、吸いすぎると体に悪いよ。煙草は口臭を去るとか、空腹の助けになるとか、考えごとをまとめるとか、いろんなことが言わ....
」より 著者:織田作之助
間も早く出かけて待っていた。 その夕方、豹一は簡単に紀代子と接吻した。女めいた口臭をかぎながらちょっとした自尊心の満足があった。けれども、紀代子が拒みもしない....
」より 著者:黒島伝治
老人は真面目な顔で喋っていた。黄色い、歯糞のついた歯が、凋れた唇の間からのぞき、口臭が、喇叭状に拡がって、こっちの鼻にまで這入ってきた。彼は、息を吐きかけられる....
中毒」より 著者:織田作之助
入った関係はなかったが、会えば唇にだけはふれていた。私は彼女の仁丹のにおいのする口臭を、永久に忘れがたいだろうと思った。未練たらしい私は、彼女が化粧を直して私の....
キド効果」より 著者:海野十三
進発したのだった。長時間の夜汽車だったもので、室内は煙草のひどい煙と、悪食乗客の口臭と、もう随分永く女なしでいる若い旅行者たちの何というかオトコ臭い匂いとで、ム....
夜の構図」より 著者:織田作之助
蜜柑の房を口に入れたような感触、そして咽喉の奥から上って来る情欲の匂いのような口臭、湯上りの匂いにまじった腋臭の匂い、精一杯の娘の生きた匂いであった。 信吉....
私本太平記」より 著者:吉川英治
伽よりも目あてはそれだ」 「わかっています」 小宰相は、あわてて彼のたまらない口臭の熱気から身を離して。 「みかどのお命をちぢめよとは、たれのいいつけなのです....
大岡越前」より 著者:吉川英治
せていた。 「お目ざめ?」 と、女は、寝唾に乾いた唇をすりよせていう。 その口臭、安鬢ツケのにおい、白粉剥げの下から見える粗い皮膚。市十郎は、女の呼吸から、....