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「口輪〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

口輪の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
な人殺しの記録はかつてなかった。 かれが引きまわしになる時に、一匹の犬も頑丈な口輪をはめられて、その馬のあとから牽かれて行った。しかし侍の刀で畜生の首を斬るこ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
クリストフを黙らせようと工夫した。しかし試みに、餌食《えじき》を食いかけてる犬に口輪をはめてみるがいい! 人々が彼に言う言葉は皆、彼をますます刺激するばかりだっ....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
党が、四十万の党員と三百万の選挙人とを有して控えていながら、あなたたちは、皇帝に口輪をはめて束縛を脱するだけの力もない馬鹿者ばかりだ……。僕たちがそれを引き受け....
家なき子」より 著者:楠山正雄
の芝居小屋の囲いのなわをとびこえて、興行なかばにかけこんで来た。 「この犬どもに口輪をはめんか」と、かれはあらあらしく親方に向かって言った。 「犬に口輪をはめろ....
三国志」より 著者:吉川英治
の痩馬を曳いてきて、帝に献上した。 閔貢は、自分の馬に、陳留王を乗せて、二騎の口輪をつかみ、門を出て、諸所へ散らかっている兵をよび集めた。 二、三里ほど来る....
三国志」より 著者:吉川英治
、どなった。 劉備は驚いて彼の乱暴を叱りつけ、関羽もまた劉備と共に躍り狂う駒の口輪をつかんで、 「いい加減にしろっ」と、必死に喰い止めながら、遮二無二帰り道へ....
三国志」より 著者:吉川英治
となく常と違うので、早くから衛府に詰めていた玄徳は、それと見るや、自身、逍遥馬の口輪をとって、帝のお供に従った。 関羽、張飛、その余の面々も、弓をたばさみ、戟....
三国志」より 著者:吉川英治
はばかられての御意なれば、手下の者は、しばらく裴元紹にあずけ、この身ひとつ、馬の口輪をとらせて、おつれ願いとう存じまする」 関羽は、彼の誠意にうごかされて、ふ....
三国志」より 著者:吉川英治
して、あなた様おひとりを、ここに残して立去れましょう。さ、その馬の背へ」 駒の口輪を取って引き寄せると、糜夫人は突如身をひるがえして、傍らの古井戸の縁へ臨みな....
三国志」より 著者:吉川英治
て、 「賓客、ようこそご無事で」 と、にこやかに、出迎えの礼をなし、自身、馬の口輪をとって導いた。 張松はあわてて馬を降り、 「あなたは、関羽将軍ではありま....
三国志」より 著者:吉川英治
ば、城兵の気はとみに昂まり、油断していると反撃してくるぞ」 関平は、父の乗馬の口輪をつかんだ。そしてその前に立ちふさがり、 「こは父上らしくもないことです。た....
私本太平記」より 著者:吉川英治
ころかは。これより篠村へ引っ返しまする。いざ疾う御馬上に」 武士はみずから馬の口輪を取り、連れの若党を叱咤して、元の道へ走らせた。彼らの在所篠村の領家(領主の....
私本太平記」より 著者:吉川英治
頼春だったのである。 「いざ、ご案内を」 頼春は、一別以来の恩人のために、馬の口輪を取って行く。 玉手や古市の巷の灯を見て過ぎると、駒はほどなく、石川|郷の....
大谷刑部」より 著者:吉川英治
か」 「いやになるなあ! ……あっ、おいっ、此馬はもう助からんぞ」 瀕死の馬の口輪をつかんで、一人は、邪慳に揺りうごかしてみた。 巨きな樹立に囲まれていて、....
黒田如水」より 著者:吉川英治
いると、寺院の庭の巨きな海棠の木に繋いであった一頭の黒駒のそばへ立ち寄り、自身、口輪をつかんで、広間の正面まで曳いて来た。 「良い馬であろうが、官兵衛」 官兵....