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口述
「口述〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
口述の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「兄たち」より 著者:太宰治
た。長兄は、創刊号に随筆を発表しました。
「めし」という題で、長兄が、それを私に
口述筆記させました。いまでも覚えて居ります。二階の西洋間で、長兄は、両手をうしろ....
「ろまん灯籠」より 著者:太宰治
願い致します。」と言った。母は、ついふき出した。 以下は、その日の、母子協力の
口述筆記全文である。 ――玉のような子が生れました。男の子でした。城中は喜びに....
「ロマネスク」より 著者:太宰治
事実そのようにうまくいった。書生たちは、われもわれもと三郎に手紙の代筆、もしくは
口述をたのんだのである。金が来ると書生たちは三郎を誘って遊びに出かけ、一文もあま....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
メートル。気管に達す……。」 院長が何か傷の中に入れながら、助手や警官等の前で
口述するのを聞きながら、僕は、 「きょうの昼までくらいの命かな」 と、ちょっと....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
局長を嘲った。
「共犯者を使って毒殺を企てるような犯人なら、既に今頃、君は調書の
口述をしていられるぜ」
それから廊下の方へ歩み出しながら、
「さて、これから鐘....
「島原の乱」より 著者:菊池寛
松平輝綱の陣中日記 島原一揆松倉記 天草士賊城中話 城中の山田佐右衛門の
口述書で、一名『山田佐右衛門覚書』とも云う。 立花宗茂島原戦之覚書 肥前....
「名人長二」より 著者:三遊亭円朝
に上せんとするに当り、予に其序を需む。予常に以為く、話術は事件と人物とを美術的に
口述するものにして、音調の抑揚緩急得て之を筆にすること能わず、蓋し筆以て示すを得....
「小説の面白さ」より 著者:太宰治
して、その婦女子のねむけ醒しのために、あの人は目を潰してしまいまして、それでも、
口述筆記で続けたってんですから、馬鹿なもんじゃありませんか。 余談のようになり....
「地獄の使者」より 著者:海野十三
から帆村探偵が問題として指摘したものなどについても述べるところがあった。 その
口述において、検事は自分が鶴彌殺しの犯人として始めは家政婦を疑ったが、それが芝山....
「水の女」より 著者:折口信夫
た天平五年には、その信仰伝承が衰微していたのであろう。だから儀式の現状を説く古の
口述が、あるいは禊ぎのための水たまりの出現する本縁の説かれていないことになる。「....
「ヒウザン会とパンの会」より 著者:高村光太郎
いた。私は昼間っから酒に酔い痴れては、ボオドレエルの「アシツシユの詩」などを翻訳
口述してマドモワゼル ウメに書き取らせ、「スバル」なんかに出した。 わが顔は熱し....
「京鹿子娘道成寺」より 著者:酒井嘉七
記述の方法は、うら若き、長唄の稽古人なる娘の叙述せる形式を用いているが、その
口述的な説話体は、簡明な近代文章に慣らされた自分達には、あまりにも冗長に過ぎる感....
「三つの痣」より 著者:小酒井不木
明かに窒息の徴候があらわれて居りました。通常法医学的解剖の際には、執刀者が所見を
口述して、助手が之を筆記するのですが、この腸管拷問法の行われる際には、私は無言で....
「城」より 著者:カフカフランツ
んなふうにしてこれらの人たちが、早口で、半分眼をつぶり、小さく手を動かしながら、
口述をやるか。どんなふうにしてあの人たちが、ただ人差指を動かすだけで、一こともも....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
きの女事務家に変じ、秘書官たちと何時間も一室に閉じこもったまま、命令書を読んだり
口述したり、計算書の隅から隅までを鋭い正確さでほじくったりする。と思うと再び突如....