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口達
「口達〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
口達の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
までは、お前さんも、ゆっくり昼寝でもする事だよ。」
猪熊《いのくま》のばばは、
口達者に答えながら、杖《つえ》をひいて、歩きだした。綾小路《あやのこうじ》を東へ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
の好物でござりやす。御用はその鳥に何か?」 「アハハ。なるほど、ききしにまさるお
口達者でござりまするな。そのぶんならば、ずんと頼みがいもありましょう。ちと異なお....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
んだからね。じれってえな。もっと急いで歩きなせえよ」 じつにどうも言いようなく
口達者な男です。急がせながら河岸《かし》に沿って曲がりばなをひょいと見ると、乗せ....
「デパートの絞刑吏」より 著者:大阪圭吉
自殺でなく絞殺による他殺事件である事、被害者はこの店の貴金属部のレジスター係で野
口達市と言う二十八歳の独身店員である事、死体の落下点付近に幾つかのダイヤの混じっ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
のあるところだとの理由の下に、それらの土地をもあわせすべて官有地と心得よとの旨を
口達した。この福島支庁の主任が言うようにすれば、五木という五木の生長するところは....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
からだと思ったのに、これはいったいどうしたのだ。ヤケに重いぞ、この鎧櫃は」 山
口達馬に青砥伊織《あおといおり》という、名前だけは一人前《いちにんまえ》の若い門....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
を経て、皇室に対する罪および内乱に関する罪は、これを存置することに決定したる旨を
口達せられた。依って明治十三年発布の刑法以来、皇室に対する罪および国事犯に関する....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
二年三月七日に、抽斎は召されて登城した。躑躅の間において、老中牧野備前守|忠雅の
口達があった。年来学業出精に付、ついでの節|目見仰附けらるというのである。この月....
「今日の文学の展望」より 著者:宮本百合子
から自身が明治社会成生の過程に生きた青年時代の社会関係の角度を反映して、多分に弁
口達者な戯作者風を漂わしているのは、芸術のリアリティーとして実に興味ある実例であ....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
和してはいかがで厶るか」 という者があるかと思えば、 「半之丞をまず見つけて、
口達者なものに吾等の同情を伝え、よく話合うことにしては?」 などと説くものもあ....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
ついて、片手を私の肩にかけながら、傲然と外へ出た。得心させられたというよりは彼の
口達者な弁舌に黙らされて、方々にばらばらになっている連中を後に残して。 「ゆっく....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
評家になる。批評家と共産党はウヌボレ屋の大ヒマ人の両横綱なのである。 こういう
口達者な連中には堅く門戸をとざして会わないから、奴め、唐変木、キチガイの人間ギラ....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
れ出ているのが、毎日のように見受けられたのであった。 一頃、ストライヴァー氏は
口達者で、無遠慮で、敏捷で、大胆な男ではあるが、弁護士の伎倆の中で一番目立ち一番....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
たびに私は笑止に感じる。 それからこれに伴のうて先ず思い浮ぶことは、雀の特徴を
口達者という点に見出そうとしたのは、決して内地の一部分のみではなかったということ....
「エタに対する圧迫の沿革」より 著者:喜田貞吉
せられる。ここに於いて当路者の取締りはますます厳重になった。寛政八年の太田備中守
口達に、 存候。 とある。柳瀬君によると、この寛政年中には、丹波・丹後・摂津等....