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口達者
「口達者〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
口達者の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
までは、お前さんも、ゆっくり昼寝でもする事だよ。」
猪熊《いのくま》のばばは、
口達者に答えながら、杖《つえ》をひいて、歩きだした。綾小路《あやのこうじ》を東へ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
の好物でござりやす。御用はその鳥に何か?」 「アハハ。なるほど、ききしにまさるお
口達者でござりまするな。そのぶんならば、ずんと頼みがいもありましょう。ちと異なお....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
んだからね。じれってえな。もっと急いで歩きなせえよ」 じつにどうも言いようなく
口達者な男です。急がせながら河岸《かし》に沿って曲がりばなをひょいと見ると、乗せ....
「巡査辞職」より 著者:夢野久作
名前に書換えて行った。それに又、配偶《つれあい》のオナリという女が亭主に負けない
口達者のガッチリ者で、村の女房達が第一の楽しみにしている御大師様や、妙法様の信心....
「今日の文学の展望」より 著者:宮本百合子
から自身が明治社会成生の過程に生きた青年時代の社会関係の角度を反映して、多分に弁
口達者な戯作者風を漂わしているのは、芸術のリアリティーとして実に興味ある実例であ....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
和してはいかがで厶るか」 という者があるかと思えば、 「半之丞をまず見つけて、
口達者なものに吾等の同情を伝え、よく話合うことにしては?」 などと説くものもあ....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
ついて、片手を私の肩にかけながら、傲然と外へ出た。得心させられたというよりは彼の
口達者な弁舌に黙らされて、方々にばらばらになっている連中を後に残して。 「ゆっく....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
評家になる。批評家と共産党はウヌボレ屋の大ヒマ人の両横綱なのである。 こういう
口達者な連中には堅く門戸をとざして会わないから、奴め、唐変木、キチガイの人間ギラ....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
れ出ているのが、毎日のように見受けられたのであった。 一頃、ストライヴァー氏は
口達者で、無遠慮で、敏捷で、大胆な男ではあるが、弁護士の伎倆の中で一番目立ち一番....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
まの束ね髪で、木綿筒袖の、見得も風もないのを裾短に着、腕には重たげな手籠をかけ、
口達者な長屋女房の揶揄半分な囀りのなかに、物売りの腰を低めているのだった。 手....
「三国志」より 著者:吉川英治
剣も、着物も、お馬の鞍まで」 園の小径を、奥へ歩いてゆく徐庶のあとから、童子は
口達者にそういった。徐庶は、そういわれて、心にかえりみた。――かつての破衣孤剣の....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
ら懸人となって来たが、自分は、何の寺役を持つでもなし、命松丸ときては、あのとおり
口達者で、悪戯ざかりだ。おまけに持病の夜尿症では、朝々、婆の鼻を抓ませてばかりい....
「野草雑記・野鳥雑記」より 著者:柳田国男
たびに私は笑止に感じる。 それからこれに伴のうて先ず思い浮ぶことは、雀の特徴を
口達者という点に見出そうとしたのは、決して内地の一部分のみではなかったということ....