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「口金〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

口金の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
た。 同時に、さらさらさらさらと水の音が響いて聞こえる。「――また誰か洗面所の口金を開け放したな。」これがまた二度めで。……今朝三階の座敷を、ここへ取り替えな....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
奮! 亢奮! 亢奮! である。それは責任を感じない。また咎められる心配もない。衆口金を鎔かすというが、群衆心理がそれであった。仏蘭西王もそのために殺され、近代の....
」より 著者:徳田秋声
四年住み古した旧の下宿にいた。下宿では古机や本箱がまた物置部屋から取り出されて、口金の錆びたようなランプが、また毎晩彼の目の前に置かれた。坐りつけた二階のその窓....
俗天使」より 著者:太宰治
たお金いれよ。焦茶と赤の貝の模様です。だめかしら。あたし、趣味が低いのね。でも、口金の所と貝の口の所が、金色で細くいろどられて、捨てたものでもないの。あたしこれ....
自由画稿」より 著者:寺田寅彦
。 歯の役目は食物を咀嚼《そしゃく》し、敵にかみつき、パイプをくわえ、ラッパの口金をくちびるに押しつけるときの下敷きになる等のほかにもっともっと重大な仕事に関....
恐竜島」より 著者:海野十三
太郎は、電球をにぎって波打ちぎわの方へ行った。そこで石を拾って、注意ぶかく電球の口金のところをかいた。しゅっと音がして、中へ空気がはいっていった。 その電球を....
流線間諜」より 著者:海野十三
村の呼吸づまるような一大光景だった。 「帆村君」と首領はなおも油断なくピストルの口金を帆村の胸にピタリと当てて「君は銀座事件でマッチ函を怪しいと睨んでいるそうだ....
露肆」より 著者:泉鏡花
におきまして金を溶かしまする処の、炉壺にいたしまするのを使って製造いたしました、口金の保助器は内務省お届済みの専売特許品、御使用の方法は唯今お目に懸けまするが、....
後光殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
くなってしまうのだ。それから、もう一つは数字的な符合なんだよ。と云うのは、提灯の口金と胎龍の頭蓋との寸法であって、刺傷痕と鉄芯が、双方の円芯に当っているからだ。....
喫煙四十年」より 著者:寺田寅彦
ただけに煙草道具にもなかなか凝ったものを揃えていた。その中に鉄煙管の吸口に純金の口金の付いたのがあって、その金の部分だけが螺旋で取り外ずしの出来るようになってい....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
丘の柔かい斜面の砂を掘りながら、四十六年間の酸化のためにぼろぼろになった破裂弾の口金の残りと、彼の指の中にすいかずらの茎のように握りつぶされた古い鉄片の残りとを....
鼻に基く殺人」より 著者:小酒井不木
が、砂時計が時を刻むように乳白の電球の中へさらさらと流れ込んだ。そうして、次第に口金の方から火薬が流れ込むに従って、だんだん鼠色に染め上げられて行った。さすがに....
葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
と手繰ると、かたり。 引窓の閉まる拍子に、物音もせず、五|分ばかりの丸い灯は、口金から根こそぎ殺いで取ったように火屋の外へふッとなくなる。 「厭だ、消しちまっ....
」より 著者:織田作之助
って、私はどうでも宜ろしおますと万事相手の言う通りになった。相手は生玉前町の電球口金商野瀬安二郎であった。 電球口金屋てどんな商売ですねん? とお君がきくと仲....
俗臭」より 著者:織田作之助
いうのがある。電球の中には少量だが白金を使用しているのがある。つぶして、ガラスと口金の真鍮をとったあと、白金を分離するのだ。白金は一|匁二十六円で、一万個から多....