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口飲み
「口飲み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
口飲みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
げますわ」
葉子は塩をたしてみた。けれども貞世はうまいとはいわなかった。また一
口飲み込むともういやだといった。
「そういわずとも少し召し上がれ、ね、せっかくね....
「犯人」より 著者:太宰治
飲む。抱く。とろとろ眠る。眼がさめると、また飲む。 やがて夕方、ウイスキイを一
口飲みかけても吐きそうになり、 「帰る。」 と、苦しい息の下から一ことそう言う....
「政談月の鏡」より 著者:三遊亭円朝
やれない」 喜「なに旦那|私《わし》は泡盛でも焼酎でもやります」 とグイと一
口飲みました。 武「此奴《こいつ》ア気強《きつ》い」 喜「ムヽ、是は何うも酷....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
、こんな山家料理がかえって正香をよろこばせる。 「奥さんの前ですが、」と正香は一
口飲みかけた盃を膳の上に置いて、「いつぞや、お宅の土蔵のなかに隠していただいた時....
「小説 不如帰 」より 著者:徳冨蘆花
だろう」 「まあ、あんな言を――も一杯あげましょうか」 くみて差し出す紅茶を一
口飲みて、葉巻の灰をほとほと火鉢の縁にはたきつ、快くあたりを見回して、 「半年の....
「古狢」より 著者:泉鏡花
ゃないか。お祭のようだと祝ったんだよ。」 「そんな事……お祭だなんのといって、一
口飲みたくなったんじゃあ、ありません? おっかさん(外套氏の従姉をいう)ならです....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
先刻に干したる湯呑の中へ、吸子の茶の濃くなれるを、細く長くうつしこみて、ぐっと一
口飲みたるが、あまり苦かりしにや湯をさしたり。 少年はただ黙して聞きぬ。 お....
「反抗」より 著者:豊島与志雄
へ、何だい? と眼付で尋ねかけた。 村田は初めて我に返ったかのように、珈琲を一
口飲み、煙草に火をつけた。が、言葉は直截だった。 「君は変な噂があるのを知ってる....
「化生のもの」より 著者:豊島与志雄
そわしていた。卓上に置き放しの手紙を、美枝子の懐に押し込んでやり、冷えた紅茶を一
口飲み、すぐに立ち上った。 表には自動車が待たしてあった。 「御機嫌よろしゅう....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
鹿を連想させた。 私は咽喉がしきりに乾くので、境内の井戸から釣瓶で汲みあげて、
口飲みに飲もうとした。 「あら、その水は飲めませんよ」 と少女は言った。 「そ....
「鴎外の思い出」より 著者:小金井喜美子
さな桝に酒を受けて、コップに移して渡します。立った男は天麩羅を一口食べては酒を一
口飲み、見る間に明けて、さっさと出て行きます。私はただ呆れて見ていました。 往....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
ん。」 遠慮なく、箸をとっていて、二人とも揃って箸を置いたが、お悦さんの方は一
口飲み込むと、酒は一滴も喫けない婦の、白く澄ました顔色で、 「ニャーゴ!」 「こ....
「白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
は一方ならぬ苦痛を覚えた。途中の用意にもと、宿から持って来た「サイダー」を一口二
口飲みながら上る。「サイダー」は甘味があり粘りがあって極めて不味だ、かかる時は冷....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
かしいいすが、わたしに飛びかかってくるはずがないわ」 「さあ、ジャニイ、もうひと
口飲みなよ。おまえはえらくこうふんしてるよ」 ホールが一|心になだめた。 や....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
が六百で祝儀が二分|宛ッてえのは無えや、寅が目度てえ正月だという訳だ」 と一ト
口飲み 「もう少し好い酒を売れば宜いに、少し悪くなったな」 とまた飲みました。....