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古塔
「古塔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
古塔の前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
一方《ひとかた》ならぬ荒れ様だ、大きな建物の中で目ぼしいのは其の玄関に立って居る
古塔で有る。此の塔が英国で時計台の元祖だと云う事で、塔の半腹《なかほど》、地から....
「少年探偵長」より 著者:海野十三
は、一行をヘクザの塔に案内した。この塔こそはヘクザ館の名物で、山岳地帯にそびえる
古塔は、森林のなかに屹立して、十里四方から望見されるという。 「おお、なるほど、....
「大和路・信濃路」より 著者:堀辰雄
、古くはいかるがの里と呼ばれていたあたりは、その四囲の風物にしても、又、その寺や
古塔にしても、推古時代の遺物がおおいせいか、一種蒼古な気分をもっているようにおも....
「白塔の歌」より 著者:豊島与志雄
談しました。すると、荘太玄は別な答え方をしました。紫金城や万寿山よりも、五塔寺の
古塔や円明園の廃墟の方が、優れた鑑賞者に喜ばれるとすれば、全市廃墟になった後の壮....
「水晶の栓」より 著者:新青年編輯局
と二十丈の縄を命に、九死の大冒険をあえてして、古城へ忍び込んだ。果然ドーブレクは
古塔の一室に惨い拷問の憂き目を見ていた。傍に立つのはアルブュフェクス侯爵にその部....
「古寺巡礼」より 著者:和辻哲郎
子や、蓴菜の花の咲いた池や、小山の多いやさしい景色など、非常によかった。法輪寺の
古塔、眼の大きい仏像なども美しかった。荒廃した境内の風情もおもしろかった。鐘楼に....
「三国志」より 著者:吉川英治
、疎林の奥に、疎林の梢よりも、高くそびえている古い塔がある。老僧は、あわただしく
古塔の扉をひらいて中へ隠れた。そしてあんなに急いだのに、なかなか出てこなかった。....
「随筆 新平家」より 著者:吉川英治
古典平家物語は、いわばそのころの、日本百年の弔鐘でした。迂作、この一篇も、悔悟の
古塔を巡礼しながら、古典に曳く鐘の余韻に、今日は末世か創世か、もいちど、無常の真....