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「古家〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

古家の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
事を話題としても決して話したことはない。そういうことに触れるのは私たちのような好古家の古典的な家庭の空気を吸って来たものに取っては、生々しくて、或る程度の嫌味に....
高野聖」より 著者:泉鏡花
斗飯《いっとめし》は焚《た》けそうな目覚《めざま》しい釜《かま》の懸《かか》った古家《ふるいえ》で。 亭主は法然天窓《ほうねんあたま》、木綿の筒袖《つつそで》....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
ど古びている。 僕の母なども先祖の言い伝えだからといって、この戦国時代の遺物的古家を、大へんに自慢されていた。その頃母は血の道で久しく煩《わずら》って居られ、....
追憶」より 著者:芥川竜之介
る――そんな光景を覚えているのである。 これは江戸の昔から祖父や父の住んでいた古家を毀した時のことである。僕は数え年の四つの秋、新しい家に住むようになった。し....
眉かくしの霊」より 著者:泉鏡花
、何でも一旦微禄した家を、故郷に打っ開けて、村中の面を見返すと申して、估券潰れの古家を買いまして、両三年|前から、その伜の学士先生の嫁御、近頃で申す若夫人と、二....
綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
随筆集を出した。しかも「十番雑記」の一文はどれにも編入されていない。傾きかかった古家の薄暗い窓のもとで、師走の夜の寒さにすくみながら、当時の所懐と所見とを書き捨....
開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
、雪のその音か、と吃驚したが、隣の間から、小浜屋の主婦が襖をドシンと打ったのが、古家だから、床の壁まで家鳴をするまで響いたのである。 お妻が、糸の切れたように....
化銀杏」より 著者:泉鏡花
わい遠からず、しかも太く濁りたれば、漉して飲用に供しおれり。建てて数十年を経たる古家なれば、掃除は手綺麗に行届きおれども、そこら煤ぼりて余りあかるからず、すべて....
星女郎」より 著者:泉鏡花
九 「後で聞きますと、それが山へ来る約束の日だったので、私の膝に居る女が、心待に古家の門口まで出た処へ、貴下が、例の異形で御通行になったのだそうです。 その円....
豆腐買い」より 著者:岡本かの子
を売る安普請の西洋館がある。 外国に行く四年前まではこの家は地震で曲ったままの古家で薪炭を商なっていた。薪炭商から瓦斯の道具を売る店へ、文化進展の当然の過程だ....
沼畔小話集」より 著者:犬田卯
歩く彼女の存在は、やがて村人のこころから離れてしまって、たまに鼠にさえ見限られた古家の雨戸を繰っている姿を見ても、単なる網膜の一刺激にも値しなくなってしまった。....
雪柳」より 著者:泉鏡花
銭の工面をつけようと思いました。ところがどうです。――その時分の事で、まだ藁葺の古家で、卯の花の咲いた、木戸がありました。柱に、「東海会社仮事務所」と出ていて、....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
お侠で、凜としているから、いささかも猥りがましい処がない。但しその白身で、八郎の古家で、薄暗い二階から、銀杏返で、肩で、脊筋で、半身で、白昼の町の人通りを覗きな....
十番雑記」より 著者:岡本綺堂
随筆集を出した。しかも「十番雑記」の一文はどれにも編入されていない。傾きかかった古家の薄暗い窓の下で、師走の夜の寒さに竦みながら、当時の所懐と所見とを書き捨てた....
白峰の麓」より 著者:大下藤次郎
ではゆけない。脚絆もつけ草鞋も穿いて武装しなければならない。坂を下ると人の住まぬ古家がある。たけ高き草が茂っている、家の前には釣橋がある、針金を編んで、真中に幅....