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「古帳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

古帳の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
夜明け前」より 著者:島崎藤村
検地、年貢、送籍、縁組、離縁、訴訟の手続きまでを記しつけたもの。 「これも大切な古帳だ。」 と吉左衛門は言って、左の手でそれを半蔵の方へ押しやった。木曾山中の....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
曾谷中の御免檜物荷物なるものに突き当たった。父吉左衛門が彼に残して行った青山家の古帳にも、そのことは出ている。それは尾州藩でも幕府直轄時代からの意志を重んじ、年....
「母の膝の上に」(紹介並短評)」より 著者:宮本百合子
たばかりのヒルダから初歩の学課を習い始めているのですが、ヒルダは、ロザリーにお稽古帳をあずけたまま、姉のフロラと窓際で、ひそひそ何か話しています。ロザリーは、ど....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
《ちょうじ》の油をつけてきたね。」 と通りがけに先生が言った。金坊とよばれたのは古帳面屋の娘で、清元《きよもと》をならっている子だった。ニコリと笑った、前髪から....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
ものがある。 「ヤッちゃん、手を出して――はやく乗った、乗った。」 学校友達の古帳面屋のお金ちゃんのお父さんだった。その人は背の高いキレイナ人で、清元《きよも....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
斬《き》り場のあたりだったというところの柳の木が、厠《はばかり》の小窓から見える古帳面屋《ふるちょうめんや》の友達のうちから帰って来て、あたしが話したつづきから....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
八月の暑い午後、九歳《ここのつ》のあんぽんたんは古帳面屋《ふるちょうめんや》のおきんちゃんに連れられて、附木店《つけぎだな》のお....
狂人日記」より 著者:井上紅梅
るのだろう。往来の人にもまた何の怨みがあるのだろう。そうだ。二十年前、古久先生の古帳面を踏み潰したことがある。あの時古久先生は大層不機嫌であったが、趙貴翁と彼と....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
馬の尻尾《しっぽ》 「はて、いい天気だの」 紙魚《しみ》くいだらけの古帳面を、部屋いっぱいにとりちらしたなかで、乾割《ひわ》れた、蠅のくそだらけの床....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
袖をふり払って、 「じょうだんいうな、おれなんぞのでる幕じゃない。おれは、番所で古帳面を繰っている例繰方だ。人殺しの肩に手をおくような、いやな真似はしねえのだ」....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
うに、例繰方撰要方兼帯《れいくりかたせんようかたけんたい》というケチな役、紙虫や古帳面の友というわけで、……いや、おはずかしいです」 「つまり、刑律の先例を調べ....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
す。……なにしろ、あなたは、日がな毎日、犯例帳の赦帳《ゆるしちょう》のと、番所の古帳面ばかり、ひっくりかえしていられる酔狂な方だから、前例のあることなら多分ご存....
間人考」より 著者:喜田貞吉
を紹介しておいたが、その後同国の田所市太君は、その他にも間人に関する記録の、同国古帳簿に少からず散見することを報道せられた(同誌五巻三号)。同君の紹介せられたと....
エタ源流考」より 著者:喜田貞吉
いの結末は、茶筅等は京都四条坊門極楽院空也堂の支配下であって、彼らの名前が同寺の古帳にあるとの主張であったが、調査の結果「本寺古帳に左様の者一人も曾て無之」との....