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古拙
「古拙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
古拙の前後の文節・文章を表示しています。該当する5件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
にあってはしばしば円熟した趣味である。広義の擬古主義が蒼古的《そうこてき》様式の
古拙性を尊ぶ理由もそこにある。渋味に関して、正、反、合の形式をとって弁証法が行わ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
旋廻階段のテラスに出る扉。右へ数えて五つ目が現場の室だった。部厚な扉の両面には、
古拙な野生的な構図で、耶蘇が佝僂を癒やしている聖画が浮彫になっていた。その一重の....
「パウロの混乱」より 著者:太宰治
熱的である。謂わば、ろれつが廻らない程に熱狂的である。しどろもどろである。訳文の
古拙なせいばかりでも無いと思う。 「わが誇るは益なしと雖も止むを得ざるなり、茲に....
「大和路・信濃路」より 著者:堀辰雄
いう説などもあることを知り、私はいよいよ心に充ちるものを感じた。 あのいかにも
古拙《アルカイック》なガンダラの樹下思惟像――仏伝のなかの、太子が樹下で思惟三昧....
「木の十字架」より 著者:堀辰雄
私はその二つの曲の中では、ドビュッシイの近代的な歌よりも、寧《むし》ろイタリアの
古拙な聖歌の方を好んだ。それらのゴブラン織のような合唱の中を、風のように去来する....