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古服
「古服〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
古服の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「安重根」より 著者:谷譲次
儀仗兵、軍楽隊、露国憲兵、駅員。 (朝鮮人たちはルバシカ、背広、詰襟、朝鮮服、蒙
古服等、長髪もあり、ぐりぐり坊主もあり、帽子なども雑然と、思い思いの不潔な服装。....
「道標」より 著者:宮本百合子
いう女医がいた。ほかに七人ばかりの外務省の留学生たちがいた。重く太い編み下げを蒙
古服の背にたらして、おとなしく台所の間を往復するヨーコの姉という、原始的な皮膚を....
「風知草」より 著者:宮本百合子
いるのは、重吉であった。親しい友達がもって来てくれた柄の大きすぎるホームスパンの
古服を着て、ひろ子が彼の故郷からリュックに入れて背負って来た靴をはいて、いものや....
「爆弾太平記」より 著者:夢野久作
案内してくれるというのだから、まるでお伽話だろう。おまけに吾輩は内地の騎兵軍曹の
古服を着て、山高帽に長靴、赤|毛布に仕込杖……笑っちゃいけない。ちょうどその頃、....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
の赤い異国人でありました。 田山白雲よりもいっそう肥大な形に、ボロボロになった
古服とズボンをつけた、マドロス風の異国人であります。 どこの国の異国人だか、そ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
坊じゃねえか」 牧場は、軍隊組織になっているわけではないが、この番人は、陸軍の
古服でも払い下げたものか、いつも古い軍服を着ているものだから、茂太郎は、番兵さん....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
「その間は着物や時計を食ってゆくさ。」
彼らは古着屋を呼びにやった。古着屋は
古服を二十フランで買った。彼らは時計屋へ行った。時計屋は四十五フランで時計を買っ....
「魔都」より 著者:久生十蘭
も聞かなかったような冷々沈々たる趣きなのである。
身に合わぬダブダブのサージの
古服を着、ぼんのくぼの痩せた毳《けば》立った首をしょんぼりと垂れ、影うすく、俯向....
「ノンシャラン道中記」より 著者:久生十蘭
たあとは、往来は急にひっそり閑。聴えるものは遠くの袋小路《アンパッス》で触れる「
古服《ダビ》や|屑のお払い《シフォニ》」声ばかり。 全身を毛布で包み、高からぬ....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
かし、数知れず、国一杯に荒廻った天狗様を祀り籠めた処があるんですって。――(これ
古服は黒し、俺は旅まわりの烏天狗で、まだいずれへも知己にはならないけれど、いや、....
「六号室」より 著者:瀬沼夏葉
も残念。酒店には麦酒の払が三十二|円も滞る、家賃とてもその通り、ダリュシカは密に
古服やら、書物などを売っている。此際彼の千|円でもあったなら、どんなに役に立つこ....
「ユモレスク」より 著者:久生十蘭
る」 「冗談じゃないわ。巴里で「なみのりふね」なんか売りにくるもんですか。あれは
古服や襤褸のお払いといっているの。さあ、このタクシーよ」 タクシーが走るにつれ....