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「古株〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

古株の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
母子叙情」より 著者:岡本かの子
く美しい部分があった。そしてかの女は規矩男と共に心楽しく武蔵野を味わった。躑躅の古株が崖一ぱい蟠居している丘から、頂天だけ真白い富士が嶺を眺めさせる場所。ある街....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
役の桝田屋小左衛門は父儀助に代わり、同役梅屋五助は父|与次衛門に代わって、もはや古株で現役に踏みとどまっているものは蓬莱屋新七一人しか残っていなかったのである。....
氷蔵の二階」より 著者:宮本百合子
律は、勤め先のカフェーが今建て増しで休業中なこと、そこにもう三年勤め、一番の古株になったことなど話した。 「いくら古参になったって大したこともないんですよ、....
舗道」より 著者:宮本百合子
なそうなるのよ」 「たまんないわねエ」 はる子は××○○会社の女事務員の中では古株で六七年勤めみんなから信用されていたのだ。 「はる子さんぐらいになったら、病....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
の際の名物であり風景であった。 ◇ 粟生弘氏は翁の門下でも古株で相当年輩の老人であったが、或る時新米の古賀得四郎氏が稽古に行くと、大先輩の....
」より 著者:蘭郁二郎
だったな、あれもひどかった』 とも一人が合槌を打つのです。この倉さんというのは古株の工夫で実に筋骨隆々の巨大漢、私なんか手におえないセメン袋をひょいひょいと二....
鴻ノ巣女房」より 著者:矢田津世子
督へあてて願いを出してみた。友だちが郷里に帰ってかたづいてしまった現在では、その古株の監督が唯一の知り合いであり、頼りであった。 機械へ向ける気持だけは、いつ....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
にある牡丹畑は、扇屋の建つよりもずっと以前からあるもので、百年以上も経った牡丹の古株がたくさんある。その古株から新しい花を咲かせるには、毎年、冬にかかるころ、虫....
母の手毬歌」より 著者:柳田国男
れなければならぬし、秋はまたすっかり苅り取ってしまわねばならぬ。それをおこたると古株はすぐ弱って、ほかの地へ出店を出してしまうからで、いつでも葺き萱を得られるよ....
機密の魅惑」より 著者:大倉燁子
すから、皆さんに憎まれていらっしゃるんですの』 『総領事夫人を鼻にかけて、土地の古株の奥さまがたを立てないってわけなんでしょうね。お寄り合いだの会だので我儘をな....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
日あたりまで此斜面には雪が残っていたらしい、汚い泡のようなものがこびり付いている古株から、草の芽立ちがほの紅く角ぐんでいる。獣の路を逐うて前の木立に潜り込む、人....