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古池
「古池〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
古池の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「河童」より 著者:芥川竜之介
んで作れる十七字詩の一章を記憶するのみ。
問 その詩は如何《いかん》?
答「
古池や蛙《かわず》飛びこむ水の音」。
問 君はその詩を佳作なりとなすや?
答....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
にする為には?――しかし瑣事を愛するものは瑣事の為に苦しまなければならぬ。庭前の
古池に飛びこんだ蛙は百年の愁を破ったであろう。が、
古池を飛び出した蛙は百年の愁を....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
聞こえなくなった。 夜があけてから、清治と女の童との浅ましい亡骸《なきがら》が
古池の水に浮かんでいるのを見いだされた。しかも二人がどうしてこんな無惨な死にざま....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ような大きい池が青い水草を一面にうかべて、みぎわには青い芒や葦が伸びていた。この
古池の底には大きい鯰の主が住んでいると、一人の女が教えてくれたのでお蝶はぞっとし....
「悠々荘」より 著者:芥川竜之介
しまたそのほかにも荒廃を極めたあたりの景色に――伸び放題伸びた庭芝や水の干上った
古池に風情の多いためもない訣ではなかった。 「一つ中へはいって見るかな。」 僕....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
めて敵愾心やら嫉妬やら、憎みやらを絞り出すことによって、意力にバウンドをつけた。
古池には出来損じの名金魚がかなり溜った。復一が売ることを絶対に嫌うので、宗十郎夫....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
の秘密が沈んでいるのではないかと考えられたからであった。小幡の屋敷には百坪ほどの
古池があった。 あくる日は大勢の人足をあつめて、その
古池の掻掘をはじめた。小幡....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
」 と煙管を突込んで、ばったり置くと、赤毛氈に、ぶくぶくして、擬印伝の煙草入は
古池を泳ぐ体なり。 「女は蝋燭だと云ってるんだ。」 お媼さんが突掛け草履で、片....
「異妖編」より 著者:岡本綺堂
たのは龍ではない、おそらく山椒魚であろうという者もあった。そのころの江戸には川や
古池に大きい山椒魚も棲んでいたらしい。それが風雨のために迷い出したので、鱗はなに....
「鯉」より 著者:岡本綺堂
は負えないので、そこらの人達の助勢を借りて、龍宝寺まで運び込んだ。寺内には大きい
古池があるので、傷ついた魚はそこに放された。鯉はさのみ弱った様子もなく、洋々と泳....
「春昼後刻」より 著者:泉鏡花
さあ吐いとるだ。 思ったより大うがした。 畜生め。われさ行水するだら蛙飛込む
古池というへ行けさ。化粧部屋|覗きおって白粉つけてどうしるだい。白鷺にでも押惚れ....
「父の怪談」より 著者:岡本綺堂
った。詰めている人達も退屈凌ぎに碁などを打っていた。長い日もようやく暮れて、庭の
古池のあたりから遅い蛍が二つ三つ飛び出した頃に、天井から小さい石が一つ落ちた。人....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
殿上人の屋形であったのを、去年から新しい主人に横領されたもので、庭の奥には大きい
古池が薄月の下に黒く淀んでいた。権右衛門は内の灯のとどかないところまでかれを連れ....
「消えた霊媒女」より 著者:大倉燁子
それで私も見物に交って早速出かけてみました。 かなり古いお寺で、その庭に大きな
古池があって、鰐が五六|疋いるので、それで鰐寺などと呼んでいるんですが、本当の名....
「本所両国」より 著者:芥川竜之介
けずにすんだらしい。けれども萩の四、五株しかない上、落合直文先生の石碑を前にした
古池の水も渇れ/\になっているのは哀れだった。ただこの
古池に臨んだ茶室だけは昔よ....