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古渡
「古渡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
古渡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「業平文治漂流奇談」より 著者:三遊亭円朝
て、へい只今宅にございませんが、お出入先へ参って居りますから持参致します、これは
古渡《こわた》りの無疵《むきず》で斑紋《けら》のない上玉《じょうだま》で、これを....
「硝子戸の中」より 著者:夏目漱石
《と》けて来て、人柄《ひとがら》が自《おの》ずと柔らかになったと思うと、彼はよく
古渡唐桟《こわたりとうざん》の着物に角帯《かくおび》などを締《し》めて、夕方から....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
忠三郎はその一軸を一応あらためた上で、唐桟《とうざん》の大風呂敷につつんだ。軸は
古渡《こわた》りの唐更紗《とうさらさ》につつんで桐の箱に納めてあるのを、更にその....
「桶狭間合戦」より 著者:菊池寛
の国に織田氏あることを知らしめた信秀が年四十二をもって死んだ。信秀死する三年前に
古渡城で元服して幼名吉法師を改めた三郎信長は、直に父の跡を継いで上総介と号した。....
「西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝」より 著者:三遊亭円朝
地袋で其の下に煎茶の器械が乗って、桐の胴丸の小判形の火鉢に利休形の鉄瓶が掛って、
古渡の錫の真鍮象眼の茶托に、古染付の結構な茶碗が五人前ありまして、朱泥の急須に今....
「縮図」より 著者:徳田秋声
駄の緒も、できるだけじみなものを択んだ。彼女の指には大粒のダイヤが輝き、頭髪にも
古渡珊瑚の赤い粒が覗いていた。 子供が初めて産まれた時も、奇蹟が現われたか、ま....
「足迹」より 著者:徳田秋声
も取らない夏帯のことなどを、病人は寝ていて気にしはじめた。白牡丹で買ったばかりの
古渡りの珊瑚の根掛けや、堆朱の中挿しを、いつかけるような体になられることやらと、....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
狡しい中僧もおる。五、七年前まではかなりの骨董屋だったという四十男の店などには、
古渡り唐物とか、古代蒔絵とか、仰々しい貼札しての古道具ずらりと陳べて、いやに客の....
「艸木虫魚」より 著者:薄田泣菫
った。そして静かな声でいった。 「わしの見たところに間違がなければ、あれは立派な
古渡じゃ。今は埋れて溺器に用いられているが、もしか眼の利く商人に見つかって掘り出....
「皿屋敷」より 著者:田中貢太郎
おずおず働いているのであった。 その時お菊のしまつしているのは主人が秘蔵の南京
古渡の皿であった。その皿は十枚あった。お菊はあらったその皿を一枚一枚大事に拭うて....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
と言ったものさね。それで幇間にその煙草入をくれてしまった、それが薄色珊瑚の緒〆に
古渡《こわた》りの金唐革というわけだ。その後はこの通り八十文の千住の紙の安煙草入....
「梟雄」より 著者:坂口安吾
ないものだ。野荒しの留守中に清洲の織田本家の者が信秀に敵の色をたて、信秀の居城|
古渡を攻めて城下を焼き払って逃げたのである。 信秀は慌てて帰城して対策を考えた....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
壺だって? 妙な名だな。古事来歴を話してくれ」海舟はこう云って微笑した。 「宋朝
古渡りの素焼壺で、吉凶共に著しいもの、容易ならぬ器でございます」尚古堂は気味悪そ....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
っとも似合わない。着ている物も立派であって、腰につけている煙草入の、根締の珊瑚は
古渡りらしく、これ一つだけで数十金はしよう。秘蔵がられている豪商の息子が、悪友の....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
いる。二つの礼盤の中央には、五鈷鈴や経文を載せた経机が据えられ、右の座の端には、
古渡りらしい油時計が置かれてあった。それは、目盛の附いた、円鐘形の硝子筒の中に油....