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古渡り
「古渡り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
古渡りの前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「足迹」より 著者:徳田秋声
も取らない夏帯のことなどを、病人は寝ていて気にしはじめた。白牡丹で買ったばかりの
古渡りの珊瑚の根掛けや、堆朱の中挿しを、いつかけるような体になられることやらと、....
「超人鬚野博士」より 著者:夢野久作
最極上の骨灰焼だ。底を覗いてみると孔雀型の刻印があるからには勿体なくもイギリスの
古渡りじゃないか。一つ取落しても安月給取の身代ぐらいはワケなく潰れるシロモノだ。....
「残されたる江戸」より 著者:柴田流星
狡しい中僧もおる。五、七年前まではかなりの骨董屋だったという四十男の店などには、
古渡り唐物とか、古代蒔絵とか、仰々しい貼札しての古道具ずらりと陳べて、いやに客の....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
いのである。
すがりの網を片手でぬがせて、しずかに壺をとりだしている。
朝鮮
古渡りの逸品《いっぴん》だけに、焼きのぐあいがしっとりとおちつき、上薬《うわぐす....
「大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
壺だって? 妙な名だな。古事来歴を話してくれ」海舟はこう云って微笑した。 「宋朝
古渡りの素焼壺で、吉凶共に著しいもの、容易ならぬ器でございます」尚古堂は気味悪そ....
「前記天満焼」より 著者:国枝史郎
っとも似合わない。着ている物も立派であって、腰につけている煙草入の、根締の珊瑚は
古渡りらしく、これ一つだけで数十金はしよう。秘蔵がられている豪商の息子が、悪友の....
「夢殿殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
いる。二つの礼盤の中央には、五鈷鈴や経文を載せた経机が据えられ、右の座の端には、
古渡りらしい油時計が置かれてあった。それは、目盛の附いた、円鐘形の硝子筒の中に油....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
っちから声をかけるなかを黙りこくった八丁堀合点長屋の目明し釘抜藤吉、対《つい》の
古渡り唐桟《とうざん》に幅の狭い献上博多《けんじょうはかた》をきゅっと締めて、乾....
「春の雁」より 著者:吉川英治
て」 「高価すぎるかえ」 「ご冗戯でしょう。新渡じゃあござんせんぜ。これくらいな
古渡りは、長崎だって滅多にもうある品じゃないんで」 内緒部屋の障子の桟には、絶....